~丹後暮らしの説明書①~ 雪に備えて楽しんで♩ ホワイトな生活を送ろう

2022.3.7

ハラコー

丹後に移住した経験を持つ方に「丹後に来て困ったことは?」という質問をしたところ、7割以上の方が答えたのが『雪への対応』だった。 丹後地方は日本海に面する降雪地帯だ。降雪量が少ない地域から移住してきた方にとっては初体験となることが多いだろうし、記事を書いている私自身もそうだった。

本記事では、丹後で生活する上で雪との付き合い方を知っていただき、安心して生活できるようにしてもらうこと、むしろ雪がある生活を楽しんでもらえる一助になってもらえるような情報をお届けしたい。

1. 丹後地方の降雪量

まず、丹後地方における降雪時期と量について説明する。

降雪は、例年12月からはじまり3月には終わるようだ。
最も降雪量が多いのは1月で、月合計で82.8cm、1日の最大降雪量は22.3cm、最深積雪は37.3cmとなっている。

この情報を基にすると、少なくとも12月から2月までの3カ月間は降雪に注意する必要があると言えるだろう。

出展:丹後暮らし探究便

2. 雪に備えて車への対応

降雪地域で最も注意しなければいけないことは『安全』だ。 特に、車の運転には事前の備えが必要だ。

四駆車という選択

移住した方向けに行ったアンケートでは、車を購入する際に重視したことの第2位に『四駆であること』が挙げられた(1位は価格)。
雪のある道路、特に通勤などで山道を走行する場合は四駆車の方が安心だと言えそうだ。

冬用タイヤへの交換

積雪時のスリップ事故は毎年起こっており、降雪シーズンの冬用タイヤへの交換は必須と言っていいだろう。
例年12月に降雪が始まることを考えると、11月中には冬用タイヤに交換しておいた方がよいだろう。
(そして、3月末にはノーマルタイルに戻す)

タイヤ交換作業は、
①カーディーラー(車を販売しているお店)
②カー用品店(イエローハット・オートバックスなど)
③ガソリンスタンド
などでお願いすることができる。

作業費用は店舗や車種によるようだが、2,000円~12,000円程度が一般的な価格のようだ。

地元の方や慣れた方は自分でタイヤ交換作業をする方が多いようだが、車を購入する際には冬用タイヤの購入や交換作業のことも予め相談しておくのがよさそうだ。

冬用タイヤはグレードや車種にもよるが4本で30,000円~100,000円くらいのようだ。
(もちろん、もっと安いものや高いものもあるのであくまで目安として)
また、自分でタイヤ交換をする際には、交換後のタイヤの気圧の確認もしておくのがよい
(ガソリンスタンドで、無料で空気を入れてくれる)

車の運転

積雪時の運転は細心の注意を払おう。

フロントガラスが凍結していることもあるので、『凍結防止スプレー』を備えておくとよいだろう。

雪道ではスピードを出すことを何より避けなければならない。
なので、基本的に時間に余裕をもって移動する事が大切だ。

万が一早起きできなくても、遅刻のリスクと命のリスクを冷静に見極めたうえで勤務先などに「雪の影響で遅れそうです(遅れるかもしれません)」と出発前にしっかり連絡するようにしよう。

また、路面が凍結している場合はフットブレーキが効きにくくなる場合がある。
ギアをセカンドにしてエンジンブレーキを活用するのも効果的だ。

もしも後続車にあおられたとしても決して自分が安全だと感じるスピード以上を出さずに運転するようにしよう。

2輪車の運転は非推奨

雪道でのバイクや自転車の運転は本当に推奨しない。

郵便局の配達員の方などが逞しく雪道の中郵便配達をしているかもしれないが、彼らは熟練ドライバーで十分に経験と備えがあるからできているのであって、素人が雪道を侮って二輪車で走行してはいけない。
事故は、自分だけではなく周囲にも影響があることなので、自分の安全だけでなく周囲への配慮も忘れないようにしよう。

JAFへの加入

万が一のためにJAF(日本自動車連盟)に加入することを検討するのもアリだ。
年間6,000円程度の会費を払えば雪道でのスタックにも無料で対応してくれる。
雪以外でもバッテリー上がり、パンク、燃料切れ、キー閉じこみなどのトラブルにも無料で対応してくれる。
あと、JAFカードを持っていれば温泉などの施設で割引を受けられる施設もあるというメリットがある。

そんなわけで、運転が不安な方にはJAFについて知っておいてもらいたい。

JAF(日本自動車連盟) | JAF https://jaf.or.jp/(外部リンク)

3. 雪かきをしよう

車の安全運転と同様に必須なのは「雪かき」だ。
(ちなみに、丹後の方は雪かきのことを「雪すかし」と呼ぶ)

まず雪かきをしない場合のデメリットを説明する。

車を動かせない

幹線道路を中心に車通りが多い道は除雪車が除雪してくれるが、自宅から道路までは各家庭で雪かきをしないと車を動かすことができない。

家から出られなくなる

積雪を放置しておくと、当然どんどん雪は積もる。
たとえば玄関が埋まってしまうと玄関から出られなくなるし、1mを超えるような積雪があると外への移動は非常に困難になる。(数十年前はそれくらいの雪はたまにあったらしい)

凍結のリスク

雪が積もった状態で放置しておくと、日中は太陽光を浴びて雪の表面が溶け夜になると表面が凍るので車も人もスリップしやすくなる。

また、この状態になってからだと雪かき作業の前に氷粉砕作業が加わり、作業が困難になってしまうので要注意だ。

4. 雪かきのポイント

すぐに作業する

雪かきは放置するほど後々の作業が大変になってしまう。
凍ると作業が大変だし、雪の量が増えると重くなるし捨て場所・集め場所に困る事になる。

雪かきはすぐに小まめに行う方が後々のためだと断言できる。

道具を活用する

ガレージが無い場合、車に雪が積もっているはずです。まず車の雪を落とそう。その際に便利なのが『スノーブラシ』だ。車に載った雪をスノーブラシで落とそう。

次に地面の雪かきだが『スコップ』は必須アイテムだ。
また『スノーダンプ』というアイテムがあると効率的に雪かきができるのでおススメだ。

スノーダンプ

言うまでもないが雪かき作業の際には必ず防寒着、長靴、手袋(防水)は着用して行うようにしよう。

また、出かけた先で雪に見舞われることもあるので、スノーブラシとスコップは車にも1組み積んでおくことも推奨する。

5. 雪がもたらすメリット

ここまでは雪の大変さを克服するための内容だったが、雪が振る地域には雪による恩恵もある。
その中にも実感しやすいものとしづらいものがあるので、改めて説明しておく。

まずは実感しやすいものから

雪で遊べる

庭先で作る雪だるま

庭先での雪合戦や雪だるま作りなどはもちろん、スキー場などウィンターシーズンを楽しむ場所にも地理的にアクセス容易だ。

京丹後市内だと『スイス村』でスノーチューブなどが楽しめるほか、兵庫県の神鍋スキー場は車で1時間少しの時間でアクセス可能だ。

潜入レポ~ 京丹後で雪遊び!! あのゲレンデが復活!? 生まれ変わるスイス村にGo!

温泉が最高!

丹後には温泉が豊富に湧いている。

雪の日の温泉は控えめに言っても最高だ。
冷えた空気の中暖かい温泉に浸かり雪景色を眺めることができるのは観光地ならではの贅沢だ。
この贅沢を日常の仕事終わりに味わえるのはコストパフォーマンス的にも魅力的だ。

雪で遊んだ後の程よく疲れた身体で向かう温泉はさらに最高だ。

ビールがよく冷える

これは個人的な好みだが、缶ビールを雪に突っ込んでおくだけでキンキンに冷えたビールが仕上がるのはとても魅力的だと思っている。

また、前述した雪遊びからの温泉で疲れを癒した後、コタツでぬくぬくと鍋でもつつきながら雪で仕上がったビールを飲むことは至福以外のなにものでもない。

さて、以降は実感しにくい雪のメリットについても記載しておく。

空気をキレイにしてくれる

雪や雨は大気中のゴミや不純物を取り除いてくれる役割を果たしてくれている。

「田舎は緑が多いから空気がキレイだ」というイメージがあり実際にそうなのだが、ここに雪が加わる事で更に澄み切った空気にしてくれているのだ。

害虫を減らしてくれる

丹後では時々積雪がない年がある。

雪が降らないことで不便しない半面、その年の春や夏には害虫が増えてしまうそうだ。
つまり積雪が害虫の発生を抑制してくれているということだ。

田舎暮らしのデメリットとして虫が多いことを挙げる方もいるが、実は雪はそのデメリットを軽減してくれているのだ。

おいしい食の源になる

雪は春を迎えると雪解け水になる。

雪解け水はミネラルを多く含んでおりその水が大地に流れることで滋養に富んだ栄養たっぷりのお米や野菜ができる。
また、この水は海にも流れ海にプランクトンが豊富に育つ漁場作りにも貢献してきる。
養殖される牡蠣や名産の蟹も雪解け水の恩恵を受けている。
つまり、雪は害虫を減らし大地や海に栄養を届けてくれているわけだ。

京丹後の良さに『食の豊かさ』を挙げる人は多いが、その食の豊かさは雪の恩恵あってこそのものなのだ。

以上、雪のメリットを挙げたが他にも良い点はあるかもしれないの。

後はぜひ実際に体験する中で発見していってほしい。

6. 備えておいた方がよいもの

ここまでが丹後でのホワイトな生活のススメである。

それを踏まえて、改めて『あったらよいアイテム』を移住者からのアンケート情報と筆者の主観混じりで紹介する。
雪が降り始めて準備するのでは遅いので、11月中には準備することを推奨する。
※価格についてはピンキリなので、あくまで参考程度と思ってほしい。

―必須―――――――――

・スノータイヤ(\30,000~ )
・タイヤ交換(\2,000/回~)
・スノーブラシ(\1,000~)
・スコップ(\1,000~)
・長靴(\1,000~)

―あった方がよい―――――――――

・凍結防止スプレー(\300~)
・スノーダンプ(\1,500~)

―あると安心―――――――――

・JAFへの加入(¥6,000/年)
・靴の乾燥機(¥2,500~)
・ジャッキ ※タイヤ交換時などに使う(¥3,500~)

※価格についてはピンキリなので、あくまで参考程度と思ってほしい

これらの備えは、基本的に車用品店・ホームセンター・インターネットで一通り揃えることができるので、 是非、雪の不便さを解決した上で雪を楽しむホワイトな生活を実現してほしい。

みなさん、ステキなローカルライフを(>_<)

Have a Nice Day!!!!

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