丹後のピンチに小さな一歩!!~協力求む!移住者アンケート~

2022.2.4

ハラコー

今回は少し長い記事になると思う。
読むのが面倒な方に結論から申し上げると、今回は協力依頼をお願いする記事になっている

ご協力いただきたいことは、記事のタイトルのとおり
『丹後地方に移住した経験がある方に暮らしに関するアンケートに協力してほしい』ということだ。

その理由を、読むのが面倒な方に端的に説明すると、今後丹後地方に移住をする方、移住の検討をされる方にあらかじめ必要な情報を届けたいからだ。

ご協力いただける方がいらっしゃれば、ぜひ下記のアンケートフォームの質問にお答えいただけると大変ありがたい。

【移住者向け】丹後暮らしのアンケート
https://forms.gle/AowciRgcbvttff9z8

それだけを依頼する記事なのに長々と文章を書くのは、アンケート協力と同じくらい『なぜこのアンケートをやろうとしているのか』という、理由を理解してもらうことが重要だと考えたからだ。

きっかけは『危機感』から

日本に『地方創生』という言葉が掲げられて8年が経とうとしている。
「こんなに声高に地方創生が叫ばれているのだから、地方は大丈夫だろう。丹後もきっと大丈夫だろう」
「コロナ禍で地方暮らしを志す人が増えているとテレビで観たことがあるし、移住者も何人か知ってるよ。きっと大丈夫だろう」

私も丹後に移住してしばらくは、そんな感覚で過ごしていた。
しかし、その感覚は本当に正しいだろうか。

私はこの2年、京丹後市の雇用を促進する仕事に従事させてもらう中で丹後の課題をいろいろと学ぶことができたのだが、正直なところ丹後の雇用はかなりヤバい状況にあると思っている。

シンプルに言えば『慢性的&構造的な若者減少』という表現になると思う。

丹後でもSDGsという言葉がよく聞かれるようになった。
この言葉の頭文字の “S” はSustainable(持続可能な)という意味だ。

町でこの言葉を聞くたびに、私は「町自体が持続可能じゃないかもしれないのに?」という心の奥に小さなツッコミの声が浮かぶのである。

ご存じの通り(以上?)の人口減

下のグラフは京丹後市の年代別の人口推移をグラフにしたものだ(住民基本台帳データを基に作成) 

京丹後市の年代別人口推移

ご覧の通り人口減少しているのだが、2000年に65,578人だった人口は2021年には53,674人となり11,904人の人口減となった。比率にすると21年間で18%の減少となる。

京丹後市は平均すると毎年前年比で1%程度人口減少が進んでいる町である。

主な要因は、『高校卒業後の進学』が大きいようだ。

生産年齢人口の減少

グラフのオレンジの部分を抜粋してみる。

これは15歳~64歳の人口(いわゆる生産年齢人口)の推移だが、やはり右肩下がりとなっている。

京丹後市の生産年齢の人口推移

この世代は21年間で26%の減少となっている。
働き盛りと言われる方は4人に1人いなくなったということだ。
(もちろん、65歳を過ぎても元気に働いている方もいるだろうが)

この現象の要因は、自然減の影響もあるが、それより大きな理由は『進学した若者が町に帰ってこない』ことが最も大きな影響のようだ。

【補足】
2015年から2021年には減少ペースが鈍化しているようにも見える。
しかし統計データを調べると、比較的人口が多い世代となる団塊ジュニア世代(45歳~49歳)と団塊孫世代(15歳~19歳)の2つの年齢層が2021年の統計からは同時に生産年齢人口層に含まれるようになったことによる影響が大きいようであり、この5年後にはそれまでと同程度のペースで生産年齢人口も減少していくことが予想されるようだ。

子ども世代の人口減少

こちらは、子ども世代(0歳~14歳)の人口推移だ。

京丹後市の子ども世代の人口推移

丹後在住の方ならご存じの方も多いと思うが、京丹後から通える大学・短大・専門学校はほとんどない。進学する学生は、ほぼ100%町を離れて下宿をする選択をとっているようだ。

こちらは、実に45%の減少となっている。

20年前の町の景色から、およそ半分の子どもの姿が見られなくなったということになる。

この数字を見て、「だいたい思っていた通り」と思われる方も「そんなに減ってるの!?」と思われる方もいると思うが、私はこの減少ペースを知った時に「これは相当ヤバい」と感じた。

なぜなら、【進学した若者が高確率で町に帰ってこない】→【子育て世代が少ない】→【わずかな子育て世帯で育った子も高確率で帰ってこない】という連鎖により加速度的に子どもの減少が起こっているという構造は、日本全体が抱えている【合計特殊出生率が低い】ことによる緩やかな人口減少とは次元が違うものだからだ。

ちなみに京丹後市の合計特殊出生率は1.7となっている。
2より低い数値なので自然減の影響も受けているが、全国平均の1.39よりかなり高い数字だ。
それにも関わらず子どもの人口が激減していことから、この町の子どもの人口減少は単純に合計特殊出生率を上げるだけで解決するものではないことは察しがつくと思う。

まちの未来を担う若者はどれだけいるのか?

この時点で『もはや手遅れなのでは?』と正直思ったのだが、この先、丹後出身で、大学を卒業する年齢を迎える若者はどれくらいいるのかを確認してみることにした。

未来の中学3年生はどれだけいるのか

下のグラフは、京都府内の地域別中学3年生を迎える人の減少比率をグラフにしたものだ。
平成25年の中学3年生の人数を基準として、どれほどのペースで減少していくかを示している。
(丹後地方は水色のグラフ)

出展:京都府教育庁指導部 口丹地域における府立高校の在り方検討

やはり丹後地方は京都府内の他エリアと比較しても子供の減少ペースがとてつもなく早いことが分かる。(ちなみに京都府全体の合計特殊出生率は1.28となっているので、京丹後の1.7という数値はそれを大きく上回っている。それにも関わらず・・・だ)

未来の大卒生はどれだけいるのか

同じグラフに注釈を加える。
中学3年生は15歳を迎える年なので、このグラフを8年分スライドさせれば23歳を迎える学年(4年生大学を卒業する年)と捉えることができる。

まず驚くのが、2021年(今年度)に23歳を迎える丹後出身の学生を基準にすると、3年後の2024年に2割弱減ってしまう。たった3年で2割だ。

さらに、10年後の2032年には4割近く減ってしまう。

「今年、新卒の学生を採用できなかった・・」という丹後の企業も数多く存在すると思うが、3年後はより厳しくなることが予想される。

そして、もう1つ受け止めなけばいけないのは、
『激減していく若者たちが全員Uターン就職したとしても、生産人口の減少を止めることはできない』という現実だ。

生産人口を維持できなくても『シニアが働き続ける』『ITの導入で生産性を上げる』『発展的な事業規模の縮小に向かう』という選択肢もあると思うが、多くの企業から聞こえてくるのは『若者を採用したい』と強く望む声だ。

では、その願いをかなえる希望は全くないのだろうか?

町に希望はないのか?

希望はある。

丹後地方でも、Iターン採用(丹後出身ではない方の採用)を強化し、ここ3年ほど毎年10数人の丹後外出身の大卒者の採用を実現している法人があるからだ。

地方でも高い採用実績がある法人

ここでは法人名を伏せるが、その企業は丹後外に採用担当者が何度も赴き、毎年数百人の大学生との接点を持つような自社努力による積極的な採用活動を行っている。

また、インターンシップメニューの強化やコロナ禍でもいち早くオンライン面接などを取り入れているほか、採用後のアフターフォローもしっかり行う事で3年間の離職は0人(結婚などにより転居した方は除く)という驚くべき採用成果を出している。

高い採用実績を持つ法人でも解決できていないこと

しかし、そんな法人でも解決できない悩みを抱えていることが分かった。

それは、「(その法人での仕事を希望するが)丹後での暮らしに不安があることを理由に内定を辞退する方が多い」ことだという。

中には、内定者(学生)本人ではなく、その親が子どもを心配するあまりに丹後での生活(+就業)を勧めない『親ブロック』ということまであるという。

どんな法人でも新卒採用者の暮らしまで全面保証することは難しいだろう。
そう、この課題は個社の企業努力だけでは解決できない問題なのだ。

そして、この法人のように自社努力で採用を強化する企業が現れた時にも同じ問題は起こる、『まちの共通課題』なのだ。

その問題は解決不可能なのか

そこまで自社努力をする法人が解決できていない問題なら解決できない問題なのだろうか?

私の考えでは、そうではないと思う。
この問題はきっと解決可能だ。

なぜなら、その法人含め丹後の企業に就職した若手の方々に何人も話を聞いたが、例外なく
『初めは困ることもあったけど、来てしまえばなんとかなりますよ!』と答えるからだ。

つまり、『丹後で生活する前の不安』は『実際に来てしまえば大丈夫』というものが多く、丹後に来るこの認識ギャップさえ埋められれば、丹後(地方)の暮らしに対する不安を理由にした将来的な内定辞退は防ぐことができると考える。

たんぽけに『丹後 暮らしの説明書』をつくる

つまり、丹後外出身の方でも生活に対する不安を軽減できるような情報を伝えることができれば未来の丹後の若者(特に丹後出身ではない方にとって)よいのではないかと考えたのだ。

そして、それはたんぽけが町に貢献できることなのではないか。

思えば、私自身も移住者だ。
私も移住する前に、暮らしの備えがあればよかったと思う事はたくさんある。

・車が必要で雪に備えてできれば四駆がよい
・雪対策に準備しなければいけないものがある
・ネットがあれば、実はそんなに不便ではない
・ただインターネットの工事は遅い(IRUという特殊な方式のため)
・灯油が必要で灯油を補給するためには道具が必要(配達もある)

指折り数えただけで、かんたんに5つ挙がった。
それ以外にも、そもそも賃貸物件選びに失敗&苦労したので気を付けた方が良いと思うことは過去の記事にも書いた。

~体験レポ~京丹後(田舎)で家を借りる時に知っておいてほしいこと

きっと、それ以外にもライフスタイルごとに地方暮らしならではの不便さや解決策があるはずだ。
こういった情報を整理して、『丹後 暮らしの説明書』を作ろうと決めた。

もちろん、その情報は、どの企業・個人にも公開して多くの方に活用してもらいたいと思っている。
(企業の採用担当者の方々にこの企画を提案したところ、10社中10社が「ぜひその情報は欲しい」と言ってくれた)

読者の皆さんへ協力依頼

ここまで書いた理由から、これから丹後に転居を検討する方の地方暮らしへの不安を軽減するための記事特集を作ろうと思う。

そのためには、実際に移住した方々から

「特にどんなことに困ったのか」
「どうやって解決したのか」
「事前に知っておきたかったことはないか」

などのご意見を聞いた上で、実際に役立つ記事を作成したい。

そこで、記事タイトルにもある
『丹後へ移住した方向け 暮らしのアンケート』の協力者を募りたい。

『地方暮らしの不安』は、きっと若者だけの問題ではないと思うので、性・年代・家族構成を問わず、丹後地方(宮津市・伊根町・与謝野町・京丹後市)に移住した方を対象として、できれば50サンプル程度を集めたい。

知り合いの方に移住者がいれば、「こんな理由でこんなアンケートに回答してくれる人を探してるよ」と伝えてほしい。

少し設問が多いが10分ほどで回答できる内容になっているので、この記事を読んで共感いただいた方や危機感を抱いた方がいれば、ぜひご協力いただきたい。

【移住者向け】丹後暮らしのアンケート
https://forms.gle/AowciRgcbvttff9z8

というか、、

なにとぞ、ご協力をお願いいたします!!m(_ _)m

 

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