~丹後暮らしの説明書④~ 「田舎には仕事がない」はホント?!いいえ、そんなことありませんでした!
2022.4.1
ハラコー
特集『丹後暮らしの説明書』は、丹後でローカル生活を営むうえで不安なことを調査して明らかにすることで、少しでもローカル生活の不安を払拭して楽しい生活に役立たせることを目的に執筆している。
記事のもとになる情報は、過去のたんぽけ記事でも募集させていただいた丹後に移住した方々からのアンケート情報をもとに構成している。
このアンケートの中で
『丹後へ移住する際に困った事』について質問したところ、上位を占めたのが
1位 家選び 66.7%
2位 雪への対応 61.9%
3位 仕事選び 47.6%
だった。
家選び と 雪への対応 については、過去の記事でも紹介した。
今回は『仕事選び』をテーマにしてみようと思う。
田舎には仕事がない?
「田舎には仕事が無いから都会に行きたい」
「田舎には仕事が無いから若者が都会に出て行ってしまう」という声を耳にすることがある。
また、地方に移住するにあたっても
「どんな仕事があるのか分からない」という声を複数聞いた事がある。
本当に地方に仕事は無いのだろうか?
Google検索で『丹後 有効求人倍率』と検索したところ、ハローワーク峰山の有効求人倍率が出てきた。
その数字は1.53(令和4年1月)となっていた。
この数字の意味するところは、「仕事を探している求職者1人に対して、求人を出している企業数は1.53社ある」ということだ。
ちなみに、全国の有効求人倍率(同月)は1.20となっていた。
つまり、丹後地域は求職者数に対して仕事の数は十分にあるといえるだろう。
各求人情報が分かりにくい?
さっそく「仕事はたくさんある」という事実を地方移住を検討している知り合いにも伝えた。
しかし返ってきたのは、意外にも厳しい言葉だった。
・各求人の比較がしづらい
・文字情報ばかりで仕事のイメージがわかない
・事業所の規模などもわからない
・住所情報は載っているが、土地勘が無いので分からない。
・働いている人の顔が見えず、問い合わせしづらい。
確かに、ネット上で求人情報を調べて出てくるのは文字情報が中心の「The 情報」という印象を受けるドライなものが多いようだった。
都市であろうと地方であろうと、日々の暮らしの中に占める仕事の重要性はとても高い。
移住を伴う場合はなおさら慎重になるだろう。(私自身も地方移住の検討に4年以上の時間を要した)
それを考えると、単に「仕事がたくさんある」「最低限必要な情報がある」だけでは不十分だということは想像に難くない。
ステキな『仕事探し情報』を探して
仕事はたくさんあるのに「仕事は無い」と思われてしまっている。
仕事があることが分かっても、ドライな情報では興味がわかない
なるほど。逆に考えると、仕事の魅力が伝わるためには少なくとも
・求人内容を比較できる
・文字以外にも具体的な情報がある
・事業所の規模なども把握できる
・土地勘がなくても概ね所在地がわかる
・働いている人の顔が見えて問合せやすい
こういった要素があった方がよさそうだ。
そんな情報がどこかに転がっていないか探していたところ、まちのお肉屋さんに1冊の冊子を発見!
冊子の表紙には『京丹後市企業ガイドブック2022』と書かれている。
なんと!町のお肉屋さんに企業情報が転がっていた!!
京丹後市 企業ガイドブック
表紙を開いてみると、京丹後市内の企業の地図が書かれている。
地図には、駅の場所や学校の情報も記載されているので土地勘が無い読者にはありがたい!
地図には番号とともに事業所の場所が示されているようだ。
そして、企業の数は57社も掲載されている!
色は業種で分類されていて、農業、製造、建設、飲食・宿泊、卸小売り・サービス、福祉・医療と多様な職種をカバーしている。
では、気になる各企業の情報ページはどうだろう?
これまでネット検索で見てきたドライな情報たちとは違い、
・写真が多い
・働いている人(採用担当者)の顔が分かる
・給与・休日・従業員数などがレーダーチャートになっている(比較できる)
・社宅や寮の有無・積極的な中途採用 などがアイコンでわかる
これは、掲載企業数の面からも、具体的に仕事を検討しやすい一冊になっている気がする。
また、各企業ページに掲載されているQRコードをスキャンすると、企業への問合せフォームが開き、インターンシップの実施や求人情報の詳細などを問い合わせできるようになっている。
さらに、奨学金変換支援制度や移住者向けの補助金制度や移住相談センターの情報も掲載されていた。
惜しむらくは、この冊子が町のどこに配架されているのかを読者にお伝えできないことだ。
・・・と思っていたら、電子版があるようだ!!
ここまで読んでいただいて、少しでも関心を抱いた方はぜひページを開いてご覧になってほしい。
↓↓
聞くところによると、この冊子は京丹後市役所の若手女性職員の方が主に作成にあたられたそうだ。
なるほど、いい意味で行政職が出ていなくて読みやすい紙面づくりの裏には若い市役所職員のセンスと想いが込められているようだ。
ちなみに、ガイドブックだけではなくWeb上でも情報発信を行っておりHPもある。
京丹後のジョブなび:https://kyotango-jobnavi.org
※HPでは採用関連イベントやセミナーなどの情報も発信されている
おわりに
移住者アンケートで「仕事選びに困った」という回答が多かったことから「丹後には仕事が無い(少ない)」という仮説のもと執筆を試みたものの、いい意味で期待を裏切る結果となった。
・丹後は全国と比べても求職者に対して仕事の数は多い
・農業・製造・サービスなど多様な業種の求人がある
・行政職員が作成した網羅性の高いガイドブック(電子版も)がある
もちろん、人によっては雇用条件に満足できない場合はあるだろう。
また、特定の専門職などを目指している方にとっては対象とならないかもしれない。
それでも、「田舎には仕事が無いから若者が出て行ってしまう」という根拠の乏しいイメージだけが先行して、せっかくの機会を損なうのは勿体なさすぎる気がする。
どんな地域にも、自分や家族や社会のために一生懸命努力して働き暮らしている人がいるはずだ。
また、そういった人や企業の魅力を伝えようと努力して働いている人もいる。
その可能性に目を向けないまま「田舎には仕事が無い」と未来に対する諦めのような気持ちを持つことなく、前向きな気持ちでキャリアを考えたり、移住を考えたりしてもらえる地域になることを願う。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
皆さん、ステキなローカルライフを
Have a Nice Day!!!!
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