安心できる居場所をつくりたい「HATAYA.」の五井梨奈さん

2023.10.4

けんご

 2023年9月網野町島津にオープンした「カリー&ゲストハウス HATAYA.」さん。元機(はた)織りの工場をカレー屋さん&ゲストハウスにリノベーションされてオープンした何だか面白そうな場所です。

 お店やゲストハウスを切り盛りする五井梨奈さんは、移住を期に「HATAYA.」を立ち上げて地域を盛り上げています。という事で、五井さん(以下、ごいちゃん)のパーソナリティや立ち上げの想いなどをたんぽけのけんごがインタビューしてきました!

 立ち上げの想いに触れることで、美味しいカレーと雰囲気の良いゲストハウスをより楽しめると思いますので、是非ともゆっくり読んでみてくださいね。それでは、インタビュー開始です!

海外での経験が豊かな学生時代

けんご:今日はよろしくお願いします!まずはごいちゃんのパーソナリティについて色々聞きたいのですが、出身はどこなのかな?

ごいちゃん:出身は大阪の高槻市です。生まれてから大学卒業するまでの間、高槻で過ごしました。

けんご:なるほど、就職するまでずっと高槻に居たんだね。

ごいちゃん:そうですね、基本的に高槻で暮らしていましたが、留学など海外での経験を色々してまして。中学の時にニュージーランドに留学したのと、高校の時に3ヶ月ぐらいサンフランシスコ、大学で半年ぐらいカンボジアに行ったり、バックパッカーとして海外を渡り歩いたりなどしていました。

けんご:おおー、めっちゃ海外いってる!

ごいちゃん:そうなんです。なので高槻の実家で暮らしてはいたのですが、居たり居なかったりという時期を過ごしていました。

けんご:そうなんですねー、最初に海外へいくきっかけは何かあったんですか?

ごいちゃん:きっかけは両親だったのかなと思います。父が企業向けの海外出張手配をする会社をしていたのと、母は英語の先生をやっていました。なので私も自然と英語が好きになり、海外への関心が高まっていたんじゃないかと。

けんご:おお、それは確かに。

ごいちゃん:両親共に、子供たちにはやりたいことをとことんやらせてくれる親だったので、英語が好きだった私は必然的に中学進学と共に留学へ行く流れになっていました。笑
 
けんご:中学で留学ってすごいな。笑

ごいちゃん:もはや行かざるを得ないくらいの状況でしたね、小学校卒業してすぐ行ったので、全然英語も喋れなかったんですけど選択権はなく、、笑

けんご:お父さんの職業柄もあってトントン話が進んでいきそう。笑

ごいちゃん:明確には覚えてないですが、大学時代に海外を回っていた時も父のサポートが大きかったと思います。色んな場所を周れたのも父のお陰でした。

けんご:お父さんと良いの関係が作れてるんだね。

ごいちゃん:そうですね、父の会社がコロナの影響をかなり受けて会社を畳もうとなった時も、自分にできることを何かしたいと思ったことがきっかけで、HATAYA.を立ち上げたんです、実は。

けんご:めっちゃいい話だね。個人的にもそういう親子関係憧れるなぁ。

ごいちゃん:はい!父のことは大好きです!!

バリバリ働いていたリクルート時代

けんご:大学卒業後はリクルートで働いてたんだよね?

ごいちゃん:そうですね、最初は新卒採用の部署にいて、そこで私が移住するきっかけとなる夫と出会いました。

けんご:なるほどー、海外経験があった中でも日本で就職することに決めたんだ。

ごいちゃん:海外へ定期的に行く中で、日本のこと全然知らないことに気づいたんです。そこから日本に興味を持つようになって、日本での就職を決めて現在に至ります。

けんご:日本も色んな表情あるもんね。リクルートでの仕事はどうだったのかな?

ごいちゃん:仕事は忙しかったのですが、部署のメンバーみんな仲が良かったので、仕事は楽しかったです。ある時に会社の先輩から早いうちに3つの部署を経験した方が良いとアドバイスもらったことがあって、自分の選択肢を広げる為にも確かにそうだなと思って、新卒採用の業務から人材紹介の営業をやる部署にいきました。

けんご:おお、バリバリの営業やね。

ごいちゃん:はい、東京営業所で中小企業450社ほど担当して、人材紹介の営業をやっていました。めっちゃ忙しかったですね。笑

けんご:担当する数。笑

ごいちゃん:その部署で1年半ぐらいガッツリ働かせてもらって、3つ目の部署はリクナビの企画の部署にいきました。その時期にちょうどコロナもあって、仕事は基本的にリモートでしたね。

けんご:その時にどこで暮らしていたんだっけ?

ごいちゃん:仙台です、夫が地域プロデュース業に異動になったタイミングで、それに付いていく形で仙台にいきました。

けんご:いきなり仙台に行った時はどんな感じだったの?

ごいちゃん:仙台って東京からのアクセス良くて、新幹線に乗ればすぐに友達にも会えたので寂しさは無かったですね。住まいも駅の近くだったので、よく東京から友達が遊びに来てくれました。

けんご:なるほどね、そこから丹後へ移住する流れは?

ごいちゃん:夫が地域プロデュースの業務をやっていたのも、地元に帰りたいという想いがあって頑張っていたので、そろそろ帰って地元で出来ることをやろう!という話になりまして。

けんご:丹後へ行くことに戸惑いは無かったの?

ごいちゃん:そうですね、元々帰りたいということは知っていましたし、夫の実家へも何度か行ったこともあって、親族の皆さんも優しいし良い場所だなと感じていました。私が田舎のこと好きなので、住みたい気持ちも元々ありましたし。

けんご:ほうほう。

HATAYA.の立ち上げ

けんご:HATAYA.の物件探しとかは、移住してから?

ごいちゃん: 移住前からちょっとずつ探してました。最初は夫の家の近くで探していて良い物件もあったのですが、理想の条件と合わなかったりして色々みて回っていました。中には山つきの物件とかもあってのですが、さすがに管理できないなって。笑

けんご:確かに山の管理は無理だなぁ。笑 最終的に決めた島津の物件との出会いは?

ごいちゃん:U設計室の大垣さんに協力いただきながら、物件を色々探しているうちに島津の地域の方とお話する機会がありまして、そこで自分がやりたいことを話していたら、ぜひ島津で実現して欲しい!という言葉をもらったんです。笑

けんご:おお、さすが島津の方はパワーあるね。

ごいちゃん:そこから物件探しが始まって、過去の名簿や連絡帳を探りながら、島津の空き家を色々ご紹介いただいて現在の物件を見つけました。当時は古い倉庫も立っていたりしたのですが、リノベーションすれば色んなことできるかなと。

けんご:地域の人たちの力が大きかったんだ。

ごいちゃん:そうですね、HATAYA.のある溝川地区のみなさんとも知り合いになって、楽しみにしているよ、と声がけしてもらうことも多くてありがたいです。移住者も多く入ってきていたりしていて、空き家もほぼない地区なんですよね。そんな地域の中心的な場所としてHATAYA.があったら嬉しいなと考えていて。

けんご:動いているうちに、地域への愛着が増していったんやね。

ごいちゃん:そうですね、地域の地蔵盆に呼んでもらって交流したり、一緒にBBQしたりしながら、地域でやりたいことをワイワイ話し合えて、本当に良い人たちばかりだなと感じていました。

けんご:おお、めっちゃいいね。

ごいちゃん:自分だけじゃなくて地域の皆さんと一緒に作っていけるような面白い場を作りたいと考えていたのでピッタリでした。海外から人を呼んでゲストハウスに泊まってもらったり、バックパッカーにも利用してもらったりできれば嬉しいですし、そういった方々と地元の人とが繋がるような面白い仕掛けもやっていきたいなと。

けんご:いいね~、そういう意味では飲食をやろうと思った理由は?

ごいちゃん:最初は交流できる場を作りたかったのですが、過去の経験から安心できるような場づくりをしたいと考えるようになったんです。自分が悩んだりした時に「あなたはここに居ていいだよ」と言ってくれる場所に救われたので。それはゲストハウスじゃなくて、どっちかというと飲食だなと。

けんご:ほうほう。

ごいちゃん:そんな安心できる場所でありながら、泊まっているゲストとも交流できたら面白いアイデアが生まれる場所にもなりそうだなと思ったので、今のような形態になりました。

けんご:なるほどね~カレー屋さんをやろうと思ったのは?

ごいちゃん:そうですね、5,6年前に初めてスパイスカレーを食べた時の美味しさにハマったのがきっかけで、それから自分で作るようになりました。日本の一般的なカレーと違って、実験のようにスパイスを合わせて作るのがめっちゃ面白くて。

けんご:確かに、組み合わせてくのオモロイよね。

ごいちゃん:ですよね~元々私一人でカレーは作ろうと思っていたのですが、たまたま料理経験が豊富でホスピタリティ溢れる彼(料理人のりゅうじさん)との出会いがありまして、彼と一緒にカレーを提供していくことにしたんです。

けんご:おおー、元々カレー作ってたのかな?

ごいちゃん:いや、専門的に作っていたワケではないので、有名店で修行に行ってもらったり、ひたすらカレー屋さんを回りながら車中泊しながら旅に出てもらったりなどして、経験は積んでもらいました。笑

けんご:ええ、めっちゃハードそうな旅!笑

りゅうじさん:4キロ太って帰ってきました。笑

けんご:笑 そんな出会もありながら他のスタッフも増えていったのかな?

ごいちゃん:そうですね、ご近所さんだったりとか、これも色んな縁があって。

けんご:おおー、人の縁がどんどん繋がっていく。

地域の拠点となっていきたい

けんご:立ち上げまでに大変だったことや記憶に残っていることを教えてもらっていいかな?

ごいちゃん:大変なことはいっぱいありましたけど、、印象に残ってるのは、やっぱり一緒に店舗を作り上げた大垣さんとの出会いであったり、島津の人たちのパワーも印象的でした。

けんご:ほうほう。

ごいちゃん:あとは、オープンまでにちりめん街道のイベントとか、弥栄のゆう薬局さんとか、色々イベントに出店したのですが、そうやってHATAYA.の認知を広げていく活動は面白かったですね。ローカルフラッグの丹後屋さんの立ち上げを手伝ったのも大変でしたけど、良い経験になりました。笑

けんご:1年のうちに2拠点の立ち上げって結構ハードだね。笑

ごいちゃん:めっちゃハードでした。笑 大変だったんですけど、それによって準備しなきゃいけないことや無理のないスケジュールなどを知ることができたので、やってよかったです。大変でしたけど。笑

けんご:なるほどー。最後にHATAYA.で将来目指したいことがあれば教えてください!

ごいちゃん:将来の話で言うと、島津が日本の田舎のロールモデルになっていくんじゃないかと思っていて。

けんご:うんうん。

ごいちゃん:その拠点として「HATAYA.」が存在できたらありがたいなと考えています。ゲストハウスは外からの人の利用になりますが、飲食店の方は地元の人がカジュアルに楽しんでもらえるような場所として開いていきたいです。

けんご:ほうほう。

ごいちゃん:あとはゲストハウス利用者と地元とが交流できるようなイベント事もいろいろ考えていきたいなと思ってます。DJイベントでもいいですし、皆でスポーツ見るイベントでも、面白いことを企画していきたいですね。

けんご:なるほどね、僕も移住経験あるけど京丹後っていろんな面白い人がいて、アイデアが生まれていくの楽しいよね。

ごいちゃん:そうですね、すごい方が多いんですが、心地よい関係性が出来上がっているなと感じてます。繋がりが強すぎて内輪感が出ることもなく、お互いをリスペクトしながら応援し合えるような空気感がすごく好きなので、そういった方々ともHATAYA.を作り上げていきたいと思っています!

けんご:いいね、今日はありがとうございました!!

編集後記

 ごいちゃんとは普段から仕事での関わりもあり、フランクな雰囲気でインタビューをすることができました。移住して間もないなか、事業への想いとごいちゃんのキャラクターがあるから、多くの協力者が集まりHATAYA.は生まれたんだなとインタビューを通じて実感。先日お店にも家族で行かせてもらい、子連れでくつろぎながら美味しいカレーを食べさせてもらいました。あたたかい雰囲気、優しく明るいスタッフの皆さん、美味しいカレーと、既に安心できる場ができつつあると感じた時間。これからもっと面白くなっていくHATAYA.が楽しみです。

HATAYA. 美味しく泊まれるスパイスカレー屋さん
〒629-3121 京都府京丹後市網野町島津1124
ランチ:11:00~14:30(L.O.14:00)
カフェ:14:30~17:00
ディナー:17:00~21:30(L.O.21:00)
※カフェとディナーは金・土・日のみ営業
※営業時間詳細はInstagramのカレンダーをご確認ください
定休日:水曜日
TEL:0772-60-9005
席数:カウンター4席、テーブル24席、テラス8席
HP:https://www.hataya.me/
Instagram:https://www.instagram.com/hataya_curryandhostel/

店舗写真

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