~潜入レポ~ 週に2日しか営業していないラーメン屋さん『味幸』さんへ突撃!
2021.7.12
ハラコー
「木曜日と金曜日にしか開いていないラーメン屋さんがあるらしい」
そんなウワサをたんぽけ編集部がキャッチしたのは5月のことでした。
これは早く取材せねば!と息巻いたものの、週末に仕事をため込んでしまう悲しい習性を持つわれわれは、なかなか木曜日と金曜日の取材にいけず、もたついておりました。
なかなかご縁が得られずあきらめかけましたが、6月の末にようやく潜入することができました。
味幸(あじこう)さん
こちらがウワサのラーメン屋さん京丹後市峰山町の「味幸さん」
Google Mapを使ってたどり着いたものの、お店と思われる建物には、のれんにも外壁にも、どこにも屋号が書かれていないミステリアスなたたずまい。
木・金だけ営業というスタイルにどまらず、屋号をあえて出さないという外観からも奥ゆかしさを感じます。
のれんをくぐる時に日本国民の実に80%がやってしまうと言われている、右手の甲でのれんをめくりながら『大将、やってる?』の一言とともに入店するクラシックスタイルでわれわれは店内へ潜入しました。
お店の中はこんな感じ。
3席のカウンターと2つのテーブル(座敷)席
1~3人くらいで来るのが良さそうな感じです。
初めて来るのになんだか懐かしさを感じるのは、長く続いてきたお店の歴史がそうさせてくれるのだろうと思います。
テーブル席に座りメニューを見ると、こんな感じ。
大まかに、『ラーメン系』『焼きそば系』『ご飯系』にわかれています。
ラーメンの中には『学割ラーメン 500円』という学生に優しいワンコインメニューもありました。
こういう若者に優しい心遣いに好感を感じます。
なかなか味幸さんに来れなかった分も食べたいと思った私は、チャーシュー麺 大盛 (800円)を頼みました。
メニューを注文する際、お店に入った時から気になっていたことを質問してみました。
私「テーブルに鉄板がついてますけど、焼き物のメニューもあったりするんですか?」
お店の方「実はお好み焼きもできます。時間がかかるからお店に来る前に電話してもらったら作りますよ!」
提供できるのに、時間がかかるからメニュー欄から外してるって・・・。
こんな奥ゆかしいお店、あります?
さらに!
お店の方「飲み物とか持ち込んでもらってもいいんで!夜も気軽に持ち込んでのんでって自由に使ってください。」
そんなに懐の深いお店、あります??
初めて来店した客にこんなに懐の深さを見せてくれるのは、いくら私が好青年だからといって、そうそうできることではありません!!(事実、これまでそんなお店は1つもありませんでした・・)
そうこうしている内に、チャーシュー麵大盛が完成。テーブルに運ばれてきました。
これが味幸さんのチャーシュー麺だ!!
ラーメン大国 福岡県出身で小学生時代から午前中で学校が終わる日の昼食をほぼラーメン、という食歴の私、だいたい一目見ればラーメンの戦闘力がわかると自負しています。
こ、これはうまそうだ!!
写真でしかお伝えできないことが口惜しいですが、器から立ち上る湯気、ただようしょうゆスープの香り、風情のある容器とレンゲ・・・。
これが取材を兼ねてなければ写真など撮らずにすぐに箸をとっていたでしょう。
(事実、撮るのを忘れて食べようとしていました)
フーフー、フーフー
ズズズ・・・
もぐもぐ
効果音でしか伝えられないのが惜しいです!!
しょうゆベースの中華そば風のスープ、ちゃんぽん麺に近いような太めの麺、しっかり食べ応えのあるチャーシュー、味を引き締めてくれるネギ・・。
やはり私のラーメン戦闘力センサー(通称:スカウター)に狂いはなかった!!
大盛チャーシュー麵を食べたのに、食べ終わって感じたのは『もう1杯いける!!』ということ。
しかし、健康診断で保健師さんとの面談をセッティングされた私、「おかわり!」の言葉を最後のスープの一口とともにグッとのみ込みました。
店内の過ごし方
食事を終え、フゥと一息ついて気になったのは、店内にオセロやダーツが備え付けられていること。
(ラーメン屋で見かけること、あまりないものが置いてあるな・・)
そう感じた私は尋ねてみました
私「オセロやダーツで遊んでいってもいいんですか?」
お店の方「好きにしてもらっていいよ~」
やはり懐が広い!!
私の長いラーメン歴の中でも、ラーメンを食べたあとにオセロで1局打ったりダーツで遊んで帰る客というのは一度も目にしたことはありません。
さらによく見ると・・・
「ん?なんかおかしなものが貼られてないか??」
そう、ダーツの傍らに貼られていたのは【視力検査の紙】!!!
さすがにこれにはツッコまずにはいられません
『なんでラーメン屋で視力検査やねん!!!』
にわか関西なまりのツッコミを入れ、店内でヒントを探しました。
すると、そこにあったのは床に貼られたビニールテープ!!
まさか!!!!
そんなバカな!!!!
『どんな事件も、真実はいつも1つ!!』
見た目は大人、頭脳は子ども。人生迷子の迷探偵を自称する私の脳みそにビビビっと推理がはしります。
この味幸というお店、まさか・・・
ダーツを投げる距離と視力検査できる距離をシンクロさせている!!??
あくまでたんぽけ編集部の推理ですが、それ以外考えられない!!!!
そう、味幸では恐らくダーツをしながら自分の視力を測ることができるという、ゲーム性と実用性を両方備えた仕掛けがされたお店なのです!!!
あまりの驚きにお店の方に推理の正誤を確認するのを忘れていました!
どうしても気になるという方は直接お店に行って確認してください。
お店の歴史
そんな話はともかく、お会計の際にお店の方と談話。
実はこの時間が一番楽しい瞬間です。
この楽しみはチェーン店では決して味わえない醍醐味です。(異論はみとめません)
お店の方(女性)と会話しているといろいろなことを教えてくれました。
・このお店は約50年前に開店した
・じっとしている性分じゃないので何か自分もチャレンジしたいと思ってお店を始めた
・当時、峰山高校に食堂がなかったことから高校生に食べたもらうために開店した
・一度はお店の役割は終えたと思って閉店していた
・お店のファンからラーメン復活を望む声が多く、数年前に復活オープンした
・復活した時は木曜日だけ営業にしていたけど、スープが余ってもったいないので今の木・金営業スタイルになった
・昔はもっとたくさんメニューがあったけど、年齢も上がり大変なので今のメニューに絞っている
・土日は思い切り遊ぶようにしている
いやぁ、お店に歴史ありですね~。
お話を聴いていて、お店の方の想い、たくさんのお客さんの想いが交錯して今の味幸さんになってるんだな~、と感動してしまいました。
メニューに『学割ラーメン』が残っているのも、もともと高校生のことを想ってオープンしたお店だったことの名残なんだろうなぁ・・としみじみ。
昔はもっとたくさんメニューがあったということを物語っていたのが、カウンター上の壁。
ここにはかつて、たくさんのメニュー札が並んでいたそうです。
周囲は日焼けして、かつて札が並んでいた跡がハッキリと残っています。
人に歴史あり 名店に歴史あり
を感じる瞬間でした。
まとめ
週に2日しか営業していないラーメン屋さん『味幸』さんのまとめです。
・50年前、当時食堂がなかった峰山高校生を想って開店したお店だった
・今も学生に優しい『学割ラーメン』を提供するお店だった
・一度閉店したお店をファンの要望で復活したお店だった!
・復活当初は週1日営業だったが、スープがもったいないので週2営業になったお店だった
・しょうゆベースのラーメンがおいしいお店だった
・裏メニューに『お好み焼き』が存在するお店だった
・オセロやダーツ(視力検査のオプション付)で遊べるラーメン屋さんだった
・屋号のとおり、おいしい『味』と『幸』せなストーリーを感じさせてくれるお店だった
記事を読んで、一度行ってみたい!と思った方はぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょう?
木曜日か金曜日しか営業してませんので、その点にはご注意ください!!
現場からは以上です!!!!
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味幸(あじこう)
〒627-0026 京都府京丹後市峰山町古殿48
TEL 0772-62-2673
営業時間
木曜日、11時00分~13時30分、17時00分~20時00分
金曜日、11時00分~13時30分、17時00分~20時00分
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