白ってどんな色?ホワイトデーに「白」について考える

2022.3.14

川口優子

こんにちは。仕事ではデザインをやっている川口です^ ^ この特集では、私がエンカウント(遭遇)したちょっと気になるデザインを、私視点で紹介していきます。

2月14日のバレンタインデーでは、「チョコレート色に合う配色例」を紹介しました^ ^

ホワイトデーの配色も紹介しようかなと思ったのですが、「ホワイトデーの具体的な色のイメージってなんだろう」と思ってしまいました。

「ホワイトデー」と画像検索すると、「白+水色」の配色が多く見られます。下記の素材も、「ホワイトデー」で出てきたものの一つです。

お世話になっておりますAdobe Stockの素材

確かに、私が「ホワイトデーの宣伝バナーを作れ」といわれたら、「白+水色」を基調にデザインすると思います。それは、バレンタインの「お返し」をする日にちなんで、チョコレート色の「補色」であるブルー系統を使ってデザインしよう、という考えです。

とはいえ、「水色に合う配色の考察」となると、チョコレート色の時と同じブログの内容になってしまうので、今回は、ホワイトデーの「ホワイト=白」に注目しました。

●完全な「白」は存在しない

完全な「白」という色は存在しない、という事実を知ったのは、色彩学の勉強をしていた時でした。自然界には、「白」という色は存在しません。全ての光が反射すると物体は「白」に見えるのですが、実際、光を100%反射する物体はないからです。
ノーベル化学賞を受賞したドイツの化学者オストワルトが考案した「オストワルト表色系」では、完全なる白を「理想の白」と定義しています(わたしは個人的に、この表現が大好きです)。完全なる白は、人それぞれのイメージでしか作れないのです。

大雪だったこの冬。丹後の白く包んだこの雪の反射率は何%でしょうか。そういうとちょっとロマンチックに欠けますが、つまりは、そういうことなのです。

●水彩画は塗らずに、油絵は塗って表現する

一般的に水彩画で白を表現する場合、白の絵の具は使わずに、紙の白をいかします(白い部分を塗り残す)。用紙の上で、一番明るいのは紙の白だからです。

反対に油絵は、白の絵の具を使って表現します。私は詳しくないので具体的な説明はできませんが、白の種類もたくさんあります。

表現方法は違っても、同じ「白」を表現できること。これもまた、私の心を揺さぶります。

●白を使ったトリコロール配色

最後に、配色の観点から白を語ると、私は「白を使ったトリコロール配色」が好きです。トリコロール配色とは、コントラスト感がある3色の配色のことです。トリコロールと聞いてフランス国旗の配色が思い浮かぶかもしれませんが、あの3色だけでなく、明瞭な3色の配色はすべてトリコロールです。3色の中に、白や黒が含まれていても問題ありません。色がはっきり別れていたら良いのです。

トリコロール配色
これもトリコロール配色、白が入ると引き締まる!

配色において白の使い方は無限大。その可能性が何よりの魅力です。

白は、可能性である

私が思う白の魅力を3つ紹介しましたが、これ以外にも、白という色を通して発見できることはたくさんあります。
白にまつわる研究を進めることは、心理的なことだけなく、地球の未来を助ける発明にもつながることだと思います。これは決して大げさな話ではありません。白という色は、それだけ可能性を秘めていると思います。

ホワイトデーに、そんなことを考えてみる。なんだか楽しい時間でした笑

【特集】今日もデザイン・エンカウント 記事一覧はこちら