防災と色の関係は?「防災とボランティアの日」に「安全色」について考える
2023.1.17
川口優子
おはようございます。
天気予報を見ていると、今週は雪マークがチラホラ。そろそろ、丹後の冬らしくなってくるのでしょうか。
今日1月17日は「防災とボランティアの日」です。1995年1月17日に発生した「阪神・淡路大震災」の時、全国から多くのボランティアが支援に集まったことから、災害ボランティアの重要性が広く認識され制定されました。防災を考える契機となる、とっても大切な日ですね。1月15~21日は、「防災とボランティア週間」にも定められています。
今回は、デザイナーらしく、「色」の観点から防災について考えたいと思います。
カラーユニバーサルデザインが取り入れられた「JIS安全色」
道路標識や案内看板などに用いられる色は、誰もが共通に認識できるよう、「JIS安全色(JIS Z 9103)」によって規定されています。JIS安全色は、「赤」「黄赤」「黄」「緑」「青」「赤紫」の6色と、対比補助色として「白」「黒」を加えた計8色からなります。色覚多様性等に配慮し、誰もが認識しやすいことが重要であるという「カラーユニバーサルデザイン」の考え方から、2018年に色みが改定(調整)されました。
どう調整されたのかというと、例えば、「緑」を例にあげてみます。「緑」は、「安全」「避難」「救護」などの意味があり、非常口のサインにも使われています。改定の資料の「色調整の方向性」の項目には、『1型・2型色覚の人には緑でなく灰色に感じられ、ロービジョンの人には青と見分けにくかったため、黄みに寄せた。』と書いてあります。
多少色相の違いはあるものの、1型・2型色覚の人はいずれも赤みと緑みを感じにくいことがあげられます。一方、黄みと青みは認識できます。つまり、「緑み」を「黄み」に寄せることで、見やすくしたのです。
参考)JIS安全色(ウィキペディア)
参考)安全色彩(コトバンク)
参考)ユニバーサルデザインカラー採用の新JIS安全色(DICカラーデザイン株式会社)
誰もが分かりやすい配色にするために
カラーユニバーサルデザインが進んでいる今、一般的な色覚の人、色覚多様性の人、ロービジョンの人(視覚に障害があるため日常生活に不自由のある人)、高齢者など、「誰もが識別しやすい」デザインを心がけることが求められています。もちろん、デザインの方向性などもあるので、すべての制作物に強制することではないですが、多くの方が見るであろう媒体を作るときは、意識することが大切です。
特に、「防災」という観点からいうと、多くの人に「伝わる」ものを作らなければなりません。それがデザイナーの責務かなとも思います。
なので、ほんの数例だけですが、伝わる配色をご紹介します。もし日常でチラシや資料を作られることがあったら、参考してください。
●明度差がある配色
なんといっても、明度差がある配色は分かりやすいです。色覚多様性の人やロービジョンの人だけでなく、誰でもみやすいです。
●真っ赤は見にくい場合も
よく強調で使う「赤」ですが、1型・2型色覚の人は赤みと緑みを感じにくいので、暗い色に見えてしまいます。解決策として、赤を少し「黄み」に寄せると見やすくなります。
もしもの時のために「色」で工夫できることはある
災害は突然やってきます。いざという時に最善の行動ができるよう、壁に貼る掲示物、誘導のサインなど、日頃からできる工夫はいろいろあります。デザイナーとしてできることは限られているかもしれませんが、ユニバーサルデザインに配慮した制作ができるよう、精進します。
おわりに
さいごに、昨年私がコピーライターの友だちとコンペに応募した作品を掲載します。新聞広告のコンペだったのですが、お題は「改めて”防災”について考えるきっかけとなる新聞広告」でした。
広告の意義は、それを見た人の意識や行動を変えていくことにあると思います。デザイナーとして、これからもいろいろなことを伝えていければと思います。
コピーライターの高場っち@yuu16tkb と挑戦し続けて5回目。やっとファイナリストに選出してもらえました!!!
— 川口優子 (@underthesun117) December 24, 2021
でも、うん、悔しい。グランプリ取れるまで頑張るぞ!
講評とても勉強になりました。#クリアド#防災 pic.twitter.com/BiKHYynJQ1