~体験レポ~マムシに噛まれたらどうなる?



「痛っったーーーーー!!!」

農作業中、突然指先に走った激痛。何かに嚙まれた、ムカデか?そう思って茂みをかき分けるとそこにうごめくヘビの姿、、、そう、僕はマムシに嚙まれてしまったのでした。

噛まれた状況、病院での事、症状の変化など、この記事では、実体験を元に嚙まれてからどんな事が起こるのかをまとめています。自然豊かな丹後で暮らしている以上、誰しもが嚙まれる可能性があります。

実態を知って、マムシに嚙まれない平穏な生活を送りましょう!
(この記事では対処法などは記載しておらず、あくまで実体験レポとなります)

噛まれる瞬間は突然に!

ある日の早朝、慣れ親しんだ畑での農作業中に突然起こった出来事でした。

その日はにんじんの間引き(1ヶ所から2本出ている野菜を1本にする)をしており、にんじんの葉っぱで茂った畝の上を素手で作業していました。にんじんはたくさんあるので効率よくサクサクと作業しつつ、近くで一緒に作業していた友人と雑談しながら楽しい時間を過ごしていた矢先、、、

がぶっ

っと僕の右手薬指にヤバそうな痛みが走りました。

嚙まれた瞬間は痛みと突然の事にテンパりましたが、次第に噛まれた後処理や今後のことを考えはじめると「めんどくせー!!」という気持ちが勝ってきました。

指を見ると、くっきり歯形がついたように2か所から血が出ており、少しぷっくり腫れています。これはヘビに嚙まれたな、、、そう思い手元があった茂みに目を凝らすとまだら模様のうごめくヘビの姿が。。

この瞬間はマムシかどうか冷静に判断はできませんでしたが、みた瞬間の映像は脳裏にしっかり記憶され、後に病院でマムシの写真を提示された時は即答することができました。笑

テンパりながらも、周囲から「大丈夫かー!?」と人が集まってきてくれ、貸してもらった紐で薬指のつけ根を縛り、病院へ急行。痛みで車のハンドルが持てなかったので、友人に病院まで送迎してもらいました。

移動中は、「あー、このまま毒が回って、指や腕を切断しなきゃいけないのかな。。」と少しブルーな気持ちになりながら病院へ向かいました。振り返ってみると、その場に何人か一緒に作業していた人がいたのが幸いでしたね。

みんなが助けてくれたので、早急に病院へ向かうことができました。

美しい葉に包まれたにんじん畑にやつは潜んでいました

病院での救急対応!

病院へ到着し、受付でヘビに噛まれた!と伝えるとすぐに救急対応の部屋へ案内されました。そこでしきりに聞かれたのは「マムシですか?」という事。マムシかどうかで処置が変わってくるので情報として欲しかったようです。

この時はまだ分かっていなかったので「たぶん、マムシかなと思います、、、」みたいな曖昧な回答をしていました。

処置室では紐をとり患部を洗って、看護師さんやお医者さんからの問診を受けます。まだマムシかどうか分からないので、様子を見ながら処置方法を判断しいくと説明を受けベットに横になりました。

この時は嚙まれてから1時間が経過しており、徐々に腫れが手の甲全体へと広がっていきます。そしてズキズキと嚙まれた箇所が痛い!!

悶絶していると看護師さんが痛み止めの飲み薬を出してくれ、少し落ち着きましたが、それでもやっぱり痛い。。その間も腫れはどんどん広がり、手首を超えて肘の手前まであっという間に腫れました。

噛まれた右手。黒い点々のマーカーが「ここまで腫れが広がってるよ」という印。これがどんどん広がっていく…

「これはマムシだね、点滴での治療を開始しましょう」とお医者さんからの判断もあり、治療スタート。

マムシだったかー、と僕も諦めモード。直後に看護師さんが数種類のヘビの写真がのったボードを持ってきて、僕はマムシを即答(なんか早押しクイズみたいだった)。お医者さんや看護師さんから出る「やっぱりね」感が処置室に広がったのでした。

治療は解毒するための点滴を投与。解毒された毒素は尿として排出されるので、代謝を上げる点滴も投与されつつ、僕は痛み耐える。解毒が進んで腫れが止まるまで病院での処置が必要となるので、2,3日は入院してもらう必要があると説明を受けます。

「入院するんかー、まぁ2、3日日くらいならいっか」とこの時は思っていたのですが、結果的には1週間入院することになりました。痛みに耐えつつ、慣れない左手でスマホを操作しながら妻や仕事関係者に連絡を入れ、僕は入院する病棟へ運ばれていくのでした。

ひとまず、指や腕の切断はなくって良かったと一安心。現代医療じゃさすがにそれはないと看護師さんに軽く笑われたのは良き思い出ですね。

入院治療、始まる。

病室に入り、点滴での治療。コロナの影響もあり、最初から個室を案内してもらったのはラッキーでした。痛みに悶絶する中、鼻に綿棒を突っ込まれPCR検査をし、陰性と分かったので気兼ねなく入院生活がスタート。

もう入院すると決まった以上は諦めもつき、「せっかくなら自由時間を楽しんでやる!」と意気込んだものの、、、

いたいー、痛いよー、、、

もう、とにかく右腕が痛かったです。嚙まれた箇所はズキズキ痛み、腫れている箇所はジンジン痛い。腫れはどんどん広がって肘を超えました。

解毒の点滴はしているものの、どんどん広がっていく腫れを見ると「このまま全身に毒が回ってしまうのか、、?」と考えざるを得なく、不安な気持ちに苛まれてながら痛みと戦いました。

この時は毒の作用で視界が爛々として、歩けばめまいをするような状態だったので、トイレに行くのも大変。入院して最初のお昼ご飯も出てきましたが、痛みやらめまいやらでしんどく、ほとんど食べる事はできません。この初日の午後が一番つらかったなー。

手のひらがミッキーマウスのように腫れあがる

ひたすら痛みと腫れに耐え続けるも、腫れはどんどん上がり肩の手前まで到達。この時の心境としては「今晩さえ耐えれば山場は超えるだろう」でした。

しかし、マムシの毒はそう甘いものではありませんでした。。

マムシの毒はハンパない

1日で山場を越えるという希望は見事に打ち砕かれ、2日目も相変わらず痛みと腫れが続きます。右腕全体が痛いのでなかなか眠れず、眠れたと思っても寝返りを打つたび痛むので目覚める始末。

前日ほど、めまいは無くなりましたが、右腕は相変わらず痛みと熱をもって僕を苦しめます。

治療は点滴をしながら尿を排泄して毒素を体外に出し続けることが基本なので、痛みながらもトイレには行かなければなりません。この点、個室にトイレがあったのでとても助かりました。

ベッドに横になって痛みに耐え、トイレに行き、また痛みに耐えて、トイレに行くの繰り返し。

妻が持ってきてくれた暇つぶしの本やお笑い動画が入ったタブレットも、2日目時点では手をつける気力がなく、マムシの毒と真っ向勝負していたという感じです。

2日目の夜。この時点で腫れがおさまる気配がないため、入院は2~3日で済まない事が確定。さすがにそろそろ落ち着いてくるだろうと思っていたのですが、、、

1日目の夜と変わらず、痛みに苦しめられる眠れない夜。さらに、少しずつではありますが腫れの範囲が広がっていました。

3日目の朝5時、腫れの範囲が肩まで達したため、止めていた解毒の点滴を再開。「いつになったら落ち着くのよー!」という気持ちの中、3日目が始まります。

右腕全体の写真、右の方が肩側。黒の点線がどんどん肩に上がってくる、数字は時刻

解毒の点滴が効き始め少しは楽に、、、

なんてことはなく、痛みと腫れは続きます。さすがに腫れが肩から広がることはありませんでしたが、痛みと腫れは相変わらずでした。夜は痛み止めを飲まないと寝付けず、寝返りごとにやっぱり起きちゃいます。

あまりに引いていく兆しがないので、退院までの道のりは長いのかと少しメンタル的にもキツくなってくるのがこの頃。僕の場合は毎日妻がお見舞い(ガラス越しで顔合わせるくらい)と子どもの顔を見せに来てくれたのが救いでした。

終息と退院へ

4日目に入ると痛みや腫れのピークを越えました。

少し痛みが和らぎはじめ、肩周辺の腫れが引いてきた感じ。それでも二の腕まではパンパンに腫れていてまだ熱をもっています。

入院中、何度かシャワーを浴びる機会があったのですが、右腕は基本的に使えないので全てを左手だけで頑張るしかありません。洗いは何とかなるのですが、体を拭くのが大変!背中なんか特に無理ゲーです。どうやって拭いたか気になる方は、僕に直接会った時に聞いてください。笑

他にも左手しか使えないことで、食事のラップを剝がすのに苦労したり、食事をスプーンで口に運ぶのですら、大変でした。こういった経験をすると日常のありがたさが身に染みます。右手、いつもありがとう!

痛みも和らいでくると本を読んだり、お笑い番組を見たり(ちょうどキングオブコント決勝がやっていたので夢中になる)、入院生活を有意義に過ごせるになってきました。

5日目に入ると全体的腫れが引きはじめ、痛みもたまに出てくるくらいまで症状が落ち着いてきました。お医者さんからも血液検査の結果から解毒が進んでいると言ってもらえ、退院の話もすることができました。

腫れの引き方には個人差があるようですが、このままいけば明後日(入院から7日目)には退院できると言ってもらえ、一安心。点滴も外れ、病院として出来る治療はなく、あとは安静にするのみ。

それからは半日経つごとに腫れの範囲が手首まで徐々に下がっていき、腫れも引いていくのでした。

退院当日には腕の曲げ伸ばしができるまで回復し、身支度や衣類の片付けなども一人で何とかできるようになりました。ただし、手の甲全体や指の腫れはまだひどく、自由に動かせる状態ではありませんでした。

家でも多少不自由な生活となりますが、病院にいても出来る事は安静するのみなので、妻と子どもの元へ帰りました。子どもめちゃ喜んでくれてて可愛かったなー。

病室からの景色。まともに景色を楽しめるようになったのも4日目以降。

マムシに嚙まれて思うこと

退院した日は、入院中にできなかった用事を済ませたり、助けてくれた友人に挨拶したりと、あっという間に1日が終わりました。入院中の体力低下もあり少し疲れてはいましたが、夜は痛み止めを飲まないと眠れません。

調べてみると、患部である指の腫れが完全に引くまでは1カ月ほどかかるそうです。確かに今の状態(この記事を書いてるのは退院した翌日)を観察していると、噛まれた薬指はまだパンパンに腫れていて、酷い突き指をしたような状態で治るまではまだ時間が必要そう。

退院した次の日。左手の甲と比べて、右手の甲はまだぷっくり腫れている

不自由はありつつも、絶賛子育て中の僕は出来る事を工夫しながら今まで通りの生活に戻ります。(もちろん妻は全力サポートしてくれてます)

どうやら今年は京丹後市内でマムシに噛まれて入院する人が多いようで、毎年3~4件ほどなのが今年は僕含め8件もこの病院ではあったようです。夏の終わりから続く長雨なんかでマムシが活発になっているのかな。

さらに僕はタイミングが悪かったことに、この時期のマムシは繁殖期と被っていたので毒素が強かったようでした。マムシ対応に慣れている看護師さんからも「あらー、ここまで腫れるのは珍しい」と言われたほど。

痛いのがつらかったり、周りに迷惑をかけましたが無事に退院できて本当に良かったです。麻痺や痺れが残るような話も聞くので、初期の対応を迅速にしてくれた友人や病院の方々には感謝しかありません。

このように、

マムシに嚙まれると思っているより大変です。笑

マムシに噛まれない対策はもちろん必要ですが、まずは知ることが大切だと感じました。

僕が噛まれたことで、「そんなに大変なのか!」といった声を多く聞きましたし、僕自身も経験するまで全く知らないことでした。むしろ、噛まれたら切断される!麻痺が残る!くらいの認識だったので、過剰な認識を持っていたのかなと。

自然豊かな丹後だからこそ、危険もあったりします。この経験を活かして身の回りの危険を守ったり、ネタ的に話したりこの記事を読んでもらうことで、皆さんの頭の片隅にマムシ知見が残ってくれましたら嬉しいです。

それでは、マムシに対する認識をしっかり持って、自然との触れ合いを楽しみましょう!!!