京丹後にライブハウスをつくりたい〜『京丹後TRAILER』への思い【クラファン】

2023.10.9
川口優子
「「丹後王国」内に、今は使われていない倉庫があるんだけど、そこを何とか音楽ができるスペースにしたいと思っていて」
知人を通じて、そう山田さんから相談を受けたのは、4月上旬のことでした。
山田 勝(やまだ まさる)さんは、私も個人的にお仕事やイベント等でお世話になっている音響屋さんです(印刷屋さんでもあります)。
数年前、屋外の広場で友だちとダンスイベントを企画した時、「こんな感じで音を出したいんですけど」と相談すると、「了解!」と、音響周りの諸々を全部やってくださいました。わたしたちの要望をできる限りかなえてくれようと動いてくださり、感謝でいっぱいでした。

目次
思いきり“音”が出せるスペースをつくりたい

わたしが最初に相談を受けたのは、そのスペースのロゴマークでした。冒頭で書いた「知人」=「このプロジェクトを一緒に進めている、自称「番頭」さん」=「日頃とってもお世話になっている先輩」が、「この場所には、わたしたちの思いを形にした「名前」と「ロゴ」が必要である」との思いで、わたしと山田さんとをつないでくれました。
ここなら“音”を楽しむ場所がつくれるかもしれない
施設があるのは丹後王国内です。「この場所なら、大きな音が苦手な方々にご迷惑をおかけすることもなく、遊べる場所をつくることができるかもしれない」との気持ちから、山田さんが丹後王国ブルワリーさんに相談したところ、快くOKをいただいたとのことでした。そして、このプロジェクトをともに進めていただけることになったそうです。
施設の名前は『京丹後TRAILER(きょうたんごトレイラー)』
山田さんの思いを聞き、番頭さんが出した施設名のアイデアは、『京丹後TRAILER』。「いろいろなストーリー、いろいろな場面が生まれて、まるで映画の予告編を観てドキドキするような場所になってほしい」と番頭さんは話します。
音&つながり&ストーリーが生まれるロゴマークを
それを受け、ロゴマークを考えました。

- 音を感じる(音波の)イメージ
- つながりを感じる輪、円のイメージ
- “輪”や“音”が、それぞれが影響し合って新たなストーリーが生まれるイメージ
こんな思いを込めました。
クラファンで思いをかなえたい
もともとは倉庫だった場所。そこを、建物自体を修繕しながら、ステージや音響、照明等をそろえライブができるような状態にし、快適に使い続けていくためには、相当な資金が必要です。いろいろな選択肢が考えられる中、「クラウドファウンディングがいいのではないか」という結論に達しました。
使用用途はさまざま!つくっていく過程からみんなで遊べたら
音楽ができるスペースとうたっていますが、用途はバンド演奏だけを想定していないとのことです。DJを主体としたクラブイベントから、ダンスやパフォーマンス、漫才やコントまで、「こんな使い方ができるのでは?を、みんなで一緒に楽しみたい」というのが山田さんや番頭さんの思いです。「制作過程から一緒に楽しんでもらえたら、それがかなえられるのではないだろうか」「『京丹後TRAILER』に込めた“ストーリーが生まれる場所”に近づけるのではないだろうか」。
こうして、クラウドファンディングはスタートしました。
下記から詳細が見ていただけますので、ぜひぜひご一読いただけたらと思います!
https://motion-gallery.net/projects/kyotangotrailer
(期間:2023年11月10日23:59まで)

“音”をしっかり伝え、感じられるライブハウスに
「僕は普段バンド活動をしていて、やっぱり“ええ音”を出してくれるライブハウスっていうのは、安心感があります。誰もが本番に向けて練習を積み重ねてきています。僕は音響屋として、『京丹後TRAILER』を、みなさんの音をできる限り伝えらえる場所にしていきたいです」と山田さん。確かに、自分たちの音をしっかり伝えてくれる音響さんがそのスペースにいてくれたら、演奏する方々はとても安心できると思います。
「それに、大きな音で聴くということは、“音圧”を感じることもできます。(音に)ダイナミックさが欲しいというは、どんなジャンルの方にもいえることではないかと思っています。ドーンと響く迫力のある生音を、ぜひ体感してほしいです(山田)」
いろいろな方にこのスペースを使って表現を楽しんでいただき、音響の部分では、山田さんがしっかりサポートする。また、普段音楽に触れる機会が少ない方には、迫力のある生音を身近に体感してもらえる場所にする。きっと誰もが、“ええ音”を楽しめる場所になるのではないかと期待しています。
“番頭日誌”も連載中
わたしの先輩である番頭さんが執筆する“番頭日誌”が連載中です! 『京丹後TRAILER』に関することや、番頭さん自身の音楽体験などに関する連載記事となっておりますので、あわせてお楽しみください!
「番頭日誌」▼
https://motion-gallery.net/projects/kyotangotrailer/updates

何かを“ともに”つくりあげていく楽しさ
デザインの仕事をしていると、いろいろな方の「思い」に触れる機会が多いです。デザインとは「課題解決」であるといわれていますが、「この商品を売りたい」とか「いっぱい人に来てほしい」などの「課題」を解決していくためには、やはりその当事者自身が、その“モノ”や“コト”を一番信じていることが大事だと思っています。その思いがしっかり伝わってくるほど、デザイナーとしてできることも増えてきます。
ひとつの思いに、共感が生まれ、サポートしてくれる方が現れ、ストーリーが広がっていく。0から1をともにつくりあげていくことは、やっぱり楽しいです。
山田さんや番頭先輩と話しながら、「こうなったらいいな」という未来を想像する。わたしにとっても、価値ある時間になっています。