心地よい繋がりをつくる「京丹後ふるさとネットワーク」担当、山添史帆さん

2023.5.31

けんご

 こんにちは!今回は先日も書いた「京丹後ふるさとネットワーク」についての記事です。というのも、たんぽけと同様に「京丹後ふるさとネットワーク」でも京丹後の情報発信をしている背景がありまして、この度、同じ目標に向かって連携しながら情報発信していく運びとなりました。

 そんな今回は、「京丹後ふるさとネットワーク」を担当する山添さんへのインタビュー記事です!Uターンされて市役所でお仕事をされている山添さん。ふるさとネットワークを担当する想いや、Uターンに至った経緯などを聞いていますので是非読んでみてくださいね。

 丹後を離れてから戻ってきた経緯

井上:今日はどうぞよろしくお願いします!そもそもの話になりますが、山添さんは京丹後市ご出身なんですか?

山添:はい!出身は京丹後市の大宮町です。高校生まで実家にいましたが、大学へ行きたいなと思ってましたし、都会に出たい気持ちもあったので一度京丹後からは離れています。

井上: では、大学卒業後にUターンを?

山添: いいえ、5年間京都府長岡京市で働いたのち、京丹後にUターンしました。

井上:京丹後市で働く前に、別の市役所で働いておられたんですね。

山添:そうなんです。就職活動中、社会の根底となるような仕事がしたくて、BtoBの企業ばかり受けていました。BtoB企業でも社長さんの思いに共感できる先を選んでいた中、長岡京市の市長さんにお会いして話を聞いていたら「この人面白い!」ってなったんですね。そこから「一緒に働いてみたい」となって長岡京市の職員として行政に入りました。

井上:確かに社会の根底となるような仕組みとか課題解決って行政にしかできないことありますもんね。

山添:そうですね。利益追求だけでなく、必要性があればできるっていうところが行政の面白みかなと思います。

井上:なるほど~働いてみてどうでしたか?

山添:長岡京市では、介護保険制度の業務や高齢者の生きがい作りをする部署で働いてて、地域に入れば入るほど面白かったですね。自分が知らないその地域の歴史や文化に触れるのが楽しくて。

井上:(知らない事に触れるのって面白いよなぁ)

山添:そんな中でずっと感じていたのが、京丹後を基準に仕事をしていたなと。「京丹後でもこれはできるな」とか「これは京丹後と違うな」とか。やっぱり生まれ育った京丹後が自分の中にあって、京丹後で今のような仕事をすることが合ってるのかなと考えてました。

井上:そうなんですね。京丹後にはたまに帰っていたんですか?

山添:月に1回ぐらいは帰ってましたね。釣りが趣味なので定期的に帰って釣りしてましたし、高速道路もつながってより帰りやすくなった時期でもありました。

井上:なるほど、定期的に地元の空気吸っていたらそうなりそうですね。

山添:そうですね。なので、長岡京市で地域をもっと良くするとか高齢者が元気に過ごせる取り組みをする中、フィールドを京丹後に移しても楽しめるんじゃないか、と思ったのがきっかけで帰ってきました。

井上:働くことを考える前からUターンする意識はあったんですか?

山添:そうですね、いつかは戻りたいと漠然に思ってましたね。近所の人からは帰るたびに「お前はいつ帰ってくるだぁ?」っていう話をされたり、「お前は絶対都会の生活は合わん」って言われた事もあって。確かに住み続ける場所ではないと感じていたので、その意見は合ってましたね。笑

井上:地元のおばちゃん強いですね。笑 ちなみに釣りは昔から好きだったんですか?

山添:小さい頃から家族や友達と釣りに行ってました。季節ごとに釣れる魚変わるじゃないですか。夏前にアジ釣って、終わったらキス、秋はイカ~って感じで。今はシロイカがきてますよ!

井上:イカ釣りって、朝とか夜じゃないですか!?

山添:そうです!行くとしたら夜なので今は仕事終わりに行きたいなと、うずうずしてます。笑

井上:なるほど。笑

イチから立ち上げた「京丹後ふるさとネットワーク」

井上:京丹後市に戻ってきてどれくらい経ちましたか?

山添:戻ってきて今年で 3年目ですね。1年目は都市計画の部署にいまして、2年目から政策企画課でふるさとネットワークをスタートし、現在は、新しくできたふるさと応援推進課で業務を行っています。

井上:ふるさとネットワークの事業は2年目からスタートしたってことですか?

山添さん:そうですね、2年目の最初にふるさとネットワークの構想を聞いて、イチから立ち上げを行いました。そもそもの経緯は、京丹後市は大学がないことで高校卒業と共に市外に出る人たちが多く、そんな人たちが京丹後に関われるようなきっかけを作りたいなと。上手くそんな人達を巻き込みながらまちづくりができれば理想だと思っています。

井上:若手世代は進学で出ていってしまう現状ありますよね。

山添:若年層に限らず京丹後にゆかりのある人たちが何かしらの形で関わって欲しいなと。関心を持ってほしいっていうか、緩く繋がるイメージですね。

井上:LINEのオープンチャットを使ってふるさとネットワークの運用を行っていますが、LINEを使っている理由はありますか?

山添:最初はFacebookグループなども考えたのですが、幅広い世代が使っているツールの方が良いなと感じました。LINEなら若い世代からご高齢の方まで使っているのでLINEだなと。あとはオープンチャットなら個人が特定されない仕組みになっているので、安心して利用できたり、不正利用ができない設定も可能なので良いと判断しましたね。

井上:確かに行政からの情報発信となると色々考える必要ありますもんね。

山添:あとは双方向のやり取りが大事かなと思っていたんで、双方向でやり取りできるSNSツールっていうところも重要視していました。

井上:確かにふるさとネットワーク上で相互コミュニケーションが生まれてますね。実際にはどんな運用が今までされていたのですか?

山添:基本的には情報交換ツールだと思ってるので、市内に住む人が得た情報を市外の方に発信しながら回っていますね。京丹後市のイベント情報であったり、季節の情報だったり。市外の方が帰ってくるきっかけとなるような情報発信は意識していました。

井上:イベント情報知ってたら、帰るきっかけにもなりますね。

山添さん:そうですね。面白いのが私自身も知らない情報が共有される事も結構ありました。ひな祭りの時期に久美浜の稲葉本家で手作りされている竹ひなの情報などは知らなかったので見に行きました。

井上:(それは僕も知らない情報。。)

山添:京丹後出身の私ですが、聞いたことあるけど行ったことがない場所や物もたくさんあって、実際に見に行くと色々なお話も伺えて改めて京丹後って面白いなと思ってます。そんな地域の事を再発見できるような情報発信をしていくことが理想ですね。

井上:いいですね。僕もイベント情報をみて実際に足を運んだり、魚っ知館が閉まる情報とかも流れてきたりして、役立つことあります。笑

山添:魚っ知館、私もショックでした!良心的な入場料であんなにお魚見れる場所、他に無いですよ~!!

井上:(あ、さすがの地元民。。笑)

ゆるく心地よい繋がりを

井上:ふるさとネットワークを運用し始めて、面白かったと感じた事や課題感なんかあれば教えてもらっていいですか?

山添:課題はもちろん色々ありますし、最初の頃は双方向にやり取りをするという事がなかなか伝わらなくて。。私たちの伝え方が悪かったなと思ったんですけど、情報発信しても既読だけついて反応がない状況が続いてました。

井上:SNSの運用って大変ですよね、反応が見えにくい時期は特に。

山添:緩く長く繋がっていきたいっていう思いからすると、相手にいろんなことを求めるんじゃなくって、自然と返信がくるような仕掛けができるようにしたくて。なかなかそこが上手くいかず、とりあえず定期的な配信を心がけていましたね。

井上:(確かにそのバランスは大事だけど難しそう。。)

山添:でもたまに知り合いから「読んでるよ!」とか「面白いね!」って反応もらえることがあってそれは嬉しいですね。LINEのオープンチャットだと匿名なので誰が入っているのか分からないので、ふいにそういうフィードバックがもらえると手応えがあってやる気が出ますね。京丹後市の職員も見てくれたりしてて、ふるさとネットワークの運用を評価してくれた時は嬉しかったです。

井上:目に見えにくいけれど評価されるのって嬉しいですよね。

山添:あとは市内に住んでる人と市外の人との接点づくりができたら良いなと思っていて、そういう雰囲気づくりも模索中ですね。

井上:コツコツ少しずつですね。今後の展望などはありますか?

山添:このふるさとネットワークをきっかけに、いろんな人が交流できる場を作れたら良いですよね。オフ会とか、リアルで会って京丹後が好きな人たちが集まって交流したり、ばら寿司作ってみたり、意外と知られていない丹後っぽい事をやって、丹後愛を深めていけるようなことができたら面白いと思います。

井上:(ばら寿司作れるようになったら丹後人になった感あるなぁ)

山添:コロナも落ち着きはじめたので、そういったコミュニケーションの場が増えていけば地元の方同士のコミュニケーションももちろん、東京や大阪の丹後人会も活動が活発になっていくと思いますし、活発化するきっかけになれたら嬉しいですね。

井上:なるほど~そしたらより多くの人にふるさとネットワークには入ってもらいたいですね。

山添:そうですね!

井上:山添さんが作り出したいふるさとネットワークの雰囲気とか、空気感ってありますか?

山添:雰囲気づくり、、アットホームな雰囲気はつくりたいと思っていますが、、うーん、やっぱり丹後に関わる人達の繋がりづくりをしていきたいですね。私自身ももっと知り合いを増やしたいと思いますし。

井上:うんうん、僕も移住してから色んな人を介しながら知り合いが増えていますし。地元に居たら同級生とかとのつながりもありますもんね。

山添:そうそう、地元にいたら昔のつながりとかが復活して、面白かったりするんですよね。そういう繋がりは大事やなと思ってるので、繋がるきっかけづくりはしたいですね。ちょっと話変わるんですが、以前からやっていた30歳の成人式をまたやりたいなと思っていて。

井上:めっちゃいいじゃないですか!

山添:去年から話があって、結局コロナで断念してしまったのですが、同窓会っぽい感じで知り合いに声掛け続けたらたくさん集まってきていて。数珠繫ぎのように人がたくさん増えていって、めっちゃ面白いなって。

井上:いいですね。

山添:コロナの影響で人との繋がりが薄くなった気がしていて。強いつながりじゃなくても良いので、ゆるく心地よい繋がりを皆が求めているんじゃないかなと。それが、30歳の成人式をやろうと思った時に反応が良かった原因にもなっている気がしてます。

井上:なるほど~僕も久しく地元の友達には出会ってないけど、同窓会あるって言われたら行きたいなぁ。誰に会いたいとかではないけど、アイツ今何してるのかな、とか、気になってることは色々あるので行ったら楽しそう。

山添:私自身、Uターンしてきたことを同級生とかでも知らない人が多くて。逆に「あの子帰ってきてたん!?」みたいな事もあったりして、知ってたら繋がれることってあると思うんですよね。

井上:(その感じエモくていいなぁ。)

山添:そんな地元の繋がりを思い出すような感覚で、ふるさとネットワークで利用してもらえたら嬉しいですし、地元の方じゃなくても、ゆるく繋がりながらたまにオフラインのイベントで出会えるような場を作っていけたら関係性も深まるし、面白いんじゃないかなと考えています!

井上:心地よく繋がりが持てる場所っていいですね。今日は色々お話聞かせていただき、ありがとうございました!

編集後記

 地元の良さを感じてUのターンする人はたくさん居ます。自然が豊か、食材が良い等、よく聞く理由がある中で、山添さんにとって人との繋がりが地元に愛着を持つ大きな要因になっているのかなと、インタビューをしながら感じました。

 実際にプライベートでも同窓会を企画するなど、活発な山添さん。想いを持って展開している「京丹後ふるさとネットワーク」にも、是非参加してみてくださいね。たんぽけでも今年1年間、京丹後の豊かな情報をお届けしていきますので、よろしくお願いします!