【丹後で船釣り】遊漁船について初心者が船長にあれこれ聞いてみた

2023.7.20

Inamoto Shinya

“明石”や“紀北”と並び、関西のジギングフィールドとして名高い“丹後”。

青物の魚影がとても濃く、10kgを超えるブリやヒラマサなども期待できます。また、鯛を狙うタイラバ、ケンサキイカを狙うイカメタル、各種エサ釣りなど様々な船釣りを楽しむことが可能です。

ただ、いくら釣れると言われても、船釣りはとても敷居が高いと感じてしまいますよね。最近釣りをはじめた筆者も興味はあるものの、なかなかチャレンジできずにいました。

今回はそんな丹後の船釣りについて、釣り暦は20年以上、最近遊漁船を開業された”フィッシングガイドもすけ丸”の本井船長に気になることを聞いてみたいと思います。

遊漁船と丹後の海について

稲本:遊漁船や丹後での釣りについて、色々と話を聞かせてもらえたら嬉しいです。よろしくお願いします。最近釣り自体が流行っていて、遊漁船も盛り上がってるイメージがあるんですが、昔と比べてどうでしょう?

本井船長:昔は今ほど遊漁船って多くなくて、しかも餌釣りがメインだった。漁師が今で言う副業的にやっていたりはしたけど、遊漁船だけやってますって船も少なかったイメージがあるな。最近はルアーで釣りをする人が多いけど、ちょうど20年ぐらい前に丹後でもジギングの遊漁船がポツポツ出てきたくらいだったね。

稲本:僕も最近釣りをはじめて、陸からアジやイカ、ハマチなんかを狙ってるんですけど、丹後の船釣りだとどんな魚が釣れるんですか?

本井船長:タイ、ブリ、ヒラマサ、イサキ、ヒラメ、アコウ、イカ..。色々と釣れるね。あとアマダイも釣れるし、松笠揚げにすると美味しい。

稲本:色々と釣れるんですね。漁港なんかに行くと県外ナンバーの車がたくさん停まっていますが、皆さん何を狙って遠くから来る方が多いんですか?

本井船長:この時期はイカ(ケンサキイカ)だな。夜の海を見るとイカ釣り船がたくさん出とろーが。道も良くなったし、大阪や京都市内からもたくさん人が来ていて、夕方から24時くらいまで釣りをして次の日は仕事みたいな人も多いみたいだな。この人らは次の日、仕事大丈夫かなと心配になるけど。

向こうに陸があるのではと思うほどのイカ釣り船

稲本:ちなみに遊漁船ってどういうシステムになっているんですか?ホームページとかを見てもイマイチ分かりづらい部分があって。

本井船長:大きく分けると”乗り合い“と”仕立て“っていう2つだな。乗り合いっていうのは、定員の設定があって知らないお客さん同士で乗り合って船を出す。仕立てっていうのは、船を貸し切って仲間だけで船を出す。極端に言うとひとりで釣りに行くこともできる。

稲本:一隻をひとりで使うって贅沢ですね!
乗り合いと仕立て、それぞれ料金相場ってどれくらいなんですか?

本井船長:乗り合いでイカ釣りだと、10,000〜13,000円くらいだね。青物を狙うジギングや、マダイを狙うタイラバだと13,000円前後で、イカ釣りより船を走らせる距離が長いから少し高く設定してるところが多いんだと思う。

稲本:なるほど。仕立てだとどれくらいですか?

本井船長:船の大きさや定員によって全然違う。さっきの相場×定員人数ってとこもあるだろうし、平日やお客さんの少ない時期だと少し安くしてくれるところもあると思う。まぁ10人定員の船を仕立てるとしたら10万くらいのイメージちゃうかな。

稲本:ということは、乗り合いと同じくらいの金額にしようと思うと、定員に近い人数を集める必要があるってことですね。

本井船長:まぁそんな感じ。

初心者におすすめの魚種

稲本:初めて船で釣りをしてみたいってなったときに、おすすめの魚種や釣り方ってありますか?

本井船長:釣りたい魚を狙いに行ったら良いんちゃう。食べたい魚。それが無ければ”タイラバ“かな。

稲本:確かにそうですね。ちなみに”タイラバ“ってどんな釣りですか?

本井船長:タイラバ“って呼ばれる仕掛けを使ってマダイを狙う釣り。底まで仕掛けを落としてから巻き上げてくるだけで釣れる。マダイ以外にも色んな魚が食ってくるから魚種を限定しなければ釣果を出しやすいし、気軽にできる。

稲本:確かに難しく無さそうで、色んな魚種を狙いつつマダイが釣れるのは良いですね。

左がタイラバ 右が青物用メタルジグ

本井船長:初心者向けに多くの船がレンタルタックルを用意してくれとるから、とりあえず乗ってみると楽しいと思う。大体2,000〜3,000円で貸してくれると思うで。

稲本:それは有難いですね。タックルはすべて貸してくれるんですか?

本井船長:消耗品以外は貸してくれるところが多いかな。タイラバやジグといった仕掛け類は自分で持っていく必要があると思うから、予約するときに電話で確認するんがええかな。

予約するときのポイント

稲本:予約って電話でするんですか?

本井船長:そうだね。一部の船がLINEで予約できるようになったって話は聞いたことあるけど、基本は電話だな。電話する方が色々と細かい確認もできるだろうし。

稲本:なるほど。予約するときに確認することってどういうのがありますか?

本井船長:集合の時間や場所、あと時期や状況によって使う仕掛けが変わってくるから、その辺の確認は必要だな。乗り合い船だと仕掛けの重さやラインの太さを釣り人同士である程度揃えるから、1人だけ違うことしてたら他の人と糸が絡まって怒られるだろうし。

稲本:仕掛けについては、ある程度知識が無いと会話が成立しなそうですね。

本井船長:そうかもしれない。他にも、氷はどうすれば良いか、料金の支払い方法、船内での場所決めについてとか細かいことを言い出すといっぱいあるね。

稲本:今、やっぱり難しそうって感じてます。

本井船長:正直、未経験者がひとりで乗り合いってのは難しいと思う。最初は経験者と一緒に行くか、未経験者何人かで仕立てる方が良いと思う。もすけ丸は”少人数“の”仕立て“のみでやっていこうと思っとるから「未経験で船釣りがしたいです」って電話くれたら希望に沿ったプランを提案しますよ。

稲本:なるほど。

本井船長:他の船でも対応はしてくれると思うから、いずれにせよ予約するときに「未経験」ってことを最初に伝えるのが大切だね。

本井船長

船の選び方について

稲本:もすけ丸は何人くらい乗れるんですか?

本井船長:ベストは3人までだけど、4人までなら乗れる。

稲本:それでいくらですか?

本井船長:基本料金は5時間で30,000円。少し時間を短めにして、相場より安価な設定にしようと思っとるんだけど。

稲本:時間が少し短めでも、少人数で仕立てられるなら、僕みたいな初心者も含め需要はありそうな気がします。

本井船長:そうだろ。ただメリットばっかりじゃなくて、大きい船の方が揺れも少ないし、休憩室やトイレなんかも広いから空間的には快適やと思うで。もすけ丸もトイレはあるけど、休憩できるようなスペースは無いしな。

稲本:そういう違いもあるんですね。大きい船なら揺れが少なく設備も充実してるけど、仕立てると高額になる。小さい船ほど安価に仕立てられるけど、快適性が下がる。乗り合いなら大きな船でも安価に行けるけど、慣れるまでは難しい部分もある。「乗り合い」と「仕立て」、「船の大きさ」についてのメリット・デメリットを考えながら、自分に合った船を見つけるのが大切ってことですね。

本井船長:そういうことだね。

稲本:少し理解できた気がします。あとは船の雰囲気とかも気になるんですが、そういう部分って乗ってみないとわからないですよね?船長さんが恐かったら嫌だなとか。笑

本井船長:最近はどの船でも釣果情報をSNSやHPで発信してるけど、コメントなんかでお客さんとやりとりしてるから、そういうとこで雰囲気が少しわかるかもしれん。

稲本:確かに。SNSで事前にコミュニケーションが取れれば、いきなり行くより安心できそうですね。

本井船長:そう思ってわしもInstagramをはじめてみたけど。

稲本:じゃあこの記事の最後にInstagramを載せておきますね。。

本井船長:記事が公開されるまでに頑張って更新しておきます。

稲本:色々と聞かせていただいて、全くわからないところから、ざっくりですが遊漁船についてイメージができました。どんな魚を狙いたいかを考えて、それに必要な釣り方や道具について調べてみようと思います。そして、今年から遊漁船にもチャレンジしていきたいと思います。ありがとうございました。

本井船長:それは良かった。丹後の海は本当に綺麗だからぜひ楽しんで!

まとめ

今回、遊漁船について本井船長から様々なお話を聞くことができました。
丹後の遊漁船を調べていて得られた知識と合わせ、情報をまとめておきたいと思います。

遊漁船に初めてチャレンジする際は、

  • 乗り合い船なら経験者と一緒に
  • 未経験者だけなら仕立て船

のどちらかが良いと思いました。そして、SNSやHPなどの情報から自分に合った船を選び、経験が少ない等の情報を伝えながらコミュニケーションをとっておくことが重要だと感じました。少なくとも、下記の事項は確認しておいた方が良さそうです。

  • 集合の時間、場所
  • 天候や海の状況による変更や中止の確認方法
  • トイレや休憩場所の有無
  • ライフジャケットのレンタル(着用必須)
  • レンタルタックルの有無(レンタルする場合)
  • 準備しておく仕掛けについて
  • 魚を持ち帰る場合は、氷について

また、持ち物についても最低限必要だと思うものを挙げておきます。

  • 酔い止め薬
  • 飲み物、食べ物
  • 季節に合った服装の準備(暑さ対策or防寒)
  • ライフジャケット(レンタルの場合、必ず確認)
  • タックル(レンタルの場合、必ず確認)
  • 仕掛け(余分に持っておくと安心)
  • クーラーボックスと氷(魚を持ち帰る場合)

他にも時期や釣り方、人によって必要なものは変わってくると思いますので、経験者や船長に相談しながら準備をしておくのが安心だと思います。

実際に色んな船の情報を見てみると、多くの船でレンタルタックルの案内があり、初めてでも楽しめたというコメントをたくさん見つけることができました。しっかり準備をしてからチャレンジできれば、想像しているよりハードルは低いのかもしれません。最近はYouTubeなどでもたくさんの映像が見れるので、事前に船上のイメージをしておくとさらに安心できそうです。

ちなみに、このインタビューの後、せっかくなのでと流行りのイカ釣りに連れて行ってもらいました。短時間の釣行でしたが、数杯のイカ(ケンサキイカとスルメイカ)を釣ることができ、夜の船釣りを堪能することができました。船で沖に出る非日常感がとても気持ち良かったです。

僕もこれを機に、陸からはなかなか釣ることのできない大物を求めて遊漁船での釣りにチャレンジしていきたいと思っています。皆さんも丹後での遊漁船、ぜひチャレンジしてみてください!

今回色々と教えてくれたフィッシングガイドもすけ丸は下記リンクより↓

また、丹後の遊漁船についても情報をまとめてみたので、自分に合った船を探してみてください。


たんぽけは今年度、「京丹後ふるさとネットワーク」とともに情報発信を行っています。
京丹後市に興味や愛着を持ってくださる方や京丹後市出身者とのネットワークとして開設された「京丹後ふるさとネットワーク」を、ぜひご活用ください。

▼「京丹後ふるさとネットワーク」(京丹後市サイト)
https://www.city.kyotango.lg.jp/top/soshiki/mayoroffice/hurusatoouen/2ru310network/18684.html

▼「京丹後ふるさとネットワーク」登録方法のご参考にどうぞ
https://tanpoke.com/19136/