食べてみたい!丹後の食材を使った京都・大阪にある飲食店3選

2023.7.3

川口優子

移住者の方から、「丹後は本当に食べものがおいしい」という話をよく耳にします。わたしも、Uターンで戻ってきた時、「野菜うまっ」「魚うまっ」ってなりました。野菜、魚、フルーツ、かに、米などなど、四季折々の旬の食材が味わえるのは、丹後の魅力のひとつです。酒、味噌、醤油も絶品です!

今回は、そんな丹後の食材を使った、京都・大阪にある飲食店3店舗をインタビューしました! どんな食材でどんな料理をつくっていらっしゃるのか、気になります。

京のブランド産品」である「丹後ぐじ」を使用した甘鯛花揚げ

1店舗目は、「京のブランド産品」である「丹後ぐじ」を使用した甘鯛花揚げを提供する、京都市にある「中摠 丹後(なかそう たんご)」さん。
料理長で、京丹後市出身の長谷川広治さんにお話を伺いました。

丹後ぐじ飛龍観(甘鯛花揚げ みぞれ餡)

唐揚げにした「丹後ぐじ」の鱗がまるで“龍の鱗”のよう

長谷川 丹後ぐじ(アカアマダイ)を鱗付きで3枚におろし、塩を当て1晩おきます。それを切り出し、打ち粉をして唐揚げにしたものに、餡を絡めて召し上がっていただきます。唐揚げにすると鱗がきれいに立ち、まるで龍の鱗のように見えます。そこから、天橋立の飛龍観(ひりゅうかん)に見立て『丹後ぐじ飛龍観』と名付けました。合わせるのは、蕪をすりおろして作ったみぞれ餡。甘鯛と蕪は「出会いもの」と呼ばれ、相性の良い食材です。
丹後ぐじは、鱗と皮の間に一番の旨味があり、「鱗ごと食べるのが一番おいしい」ということはあまり知られていません。地元に「丹後ぐじ」と呼ばれるブランド甘鯛があることも含め、もっと伝えていきたいです。

丹後の食材を提供することで 丹後の魅力を伝えていく

長谷川 私にとって丹後は、産まれ育った故郷です。料理人としてのキャリアを10数年積んだ30代、ふと故郷丹後へ何かできないかと思うようになりました。そして、紆余曲折しながら、「丹後の食材を使い料理を提供することで、丹後の魅力をまだ知らない人に伝えていく」ことだと辿り着き、2020年7月、縁あって「中摠 丹後」をオープンする運びとなりました。私自身が学びながら、食を通じて、丹後の魅力を伝える日々を送っていきたいと思っています。

料理長 長谷川広治さん

京都の繁華街から少し離れた静かな地で 落ち着いたひと時を

長谷川 「食を通じて丹後の魅力を伝える」「日常の喧騒から離れ、落ち着いたひと時を過ごせる空間の提供」という2つのコンセプトを掲げ、中摠 丹後をオープンいたしました。食材は丹後から直送で仕入れ、季節に合わせた料理を提供しています。海の京都には12の酒蔵があり、当店では日本酒はすべて丹後の地酒をご用意しております。大切な接待、記念日や誕生日、ご親族の顔合わせ、会食など様々なシーンでご利用いただけます。ぜひ、落ち着いたひと時をお過ごしください。

店舗情報

店舗名:中摠 丹後(なかそう たんご)
住所:上京区河原町荒神口下ル上生洲町240
営業時間:17:00~22:30(L.O.21:00)
定休日:火曜日/水曜日(但し、第3日曜日とその翌日の月曜日をお休みとさせていただき、その週の火曜日と水曜日は営業いたします)
TEL:075-746-3544
席数:カウンター8席、テーブル4席、個室6席
https://nakaso-tango.with-nakayama.com/

「小野甚味噌醤油醸造」さんの「こいむらさき」を使用した醤油ラーメン

2店舗目は、「おのじん(小野甚味噌醤油醸造)」さん(峰山町)の「こいむらさき」を使用した醤油ラーメンを提供する、京都市にある「comorebi RAMEN HOUSE(こもれび らーめんはうす)」さん。
店主の堀井宏祐希さんにお話を伺いました。

醤油ラーメン

旨味、コク、香りのバランスが良い「こいむらさき」

堀井 ラーメンに欠かせない食材のひとつ、醤油。comorebiの醤油は、ずっと「小野甚味噌醤油醸造」の「こいむらさき」を使っています。旨味、コク、香りのバランスが良く、チャーシューやスープに調和してくれます。
家庭でもぜひおすすめしたい料理は、野菜の揚げ浸しです。醤油(50ml)とみりん(50ml)のみで味付けした和風出汁(300ml)に、ジュワッと揚げたお野菜を漬けるだけで、贅沢な一品になりますよ。

ラーメン作りのきっかけは 祖父の地元である久美浜の方々との交流

堀井 京都市内にお店を構える前、そもそもラーメンを作ることになったきっかけは、祖父の地元である久美浜の方々との交流でした。おいしいものがあふれる久美浜など京丹後の食材を、日本人の最も身近な料理「ラーメン」に仕上げ、地元の良さを共有することができました。

店主の堀井宏祐希さん(写真は「まちまち案内所」(峰山町)でイベントを開催した時のもの)

なるべく体に負担のかからない、おいしい一杯を探究

堀井 お店を始めたのが2021年2月3日で、コロナ禍の厳しい環境下でしたが、たくさんの方に支えられ、続けてこられました。お出しする一杯に向き合った結果、2022年10月に小麦アレルギーを患い、それ以来不安定な営業となり、お客様にはご迷惑をおかけしております。体調を整え、営業体制を立て直した折にはぜひご来店いただけたら幸いです。そしてまた京丹後でもラーメンを提供しに行きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

写真:桜木美幸
写真:桜木美幸

店舗情報

店舗名:comorebi RAMEN HOUSE(こもれび らーめんはうす)
住所:下京区綾小路通新町西入矢田町126
営業時間:11:30~14:30
定休日:不定休
TEL:なし
席数:カウンター8席
https://www.instagram.com/comorebi_ramen_house/

丹後産鹿ロースを使用した生ハム巻きレアカツレツ

3店舗目は、丹後産ジビエの鹿ロースを使用したカツレツを提供する、大阪にある「イタリア料理 小西屋(こにしや)」さん。
オーナーシェフで、与謝野町出身の小西利幸さんにお話を伺いました。

丹後産 鹿ロース肉の生ハム巻きレアカツレツ

鹿肉のおいしさが一番引き立つ調理法

小西 塩と胡椒とチーズをまぶした鹿肉を生ハムで巻いて、パン粉をつけて、ミディアムレアのカツレツに仕上げています。それに、塩とレモンでシンプルに召し上がっていただきます。いろんな調理法を試したんですけど、これが、鹿肉のうまさが一番出るかなと思いました。オープン当初からずっとやっている、No.1メニューです。
鹿肉は、「京たんごぼたん・もみじ比治の里」(猪・鹿肉処理施設)や、上世屋(宮津市)の小山さん(上世屋獣肉店)から仕入れています。獣害対策になればと思うのと、あとは、ヘルシーだし、こんなにおいしいものをもっと知ってもらいたいな、という思いがあります。

丹後の食材をできる限り使いたい

小西 与謝野町出身なので、できるだけ与謝野町や丹後の食材を使いたいという思いがあります。地元の生産者さんを助けたい、と言ったらおこがましいですけど、丹後という場所を発信できたらと思っています。
あとは、食材を直で仕入れることができるので、その時その時の旬を提供することができます。

オーナーシェフの小西利幸さん

カジュアルすぎないカジュアル空間

小西 2016年の9月23日にオープンして、今年で丸7年経ちます。店内は、木の温かみを感じていただけるような、落ち着いた雰囲気です。お一人様でも、貸切・パーティでもご利用いただけます。これからの時期は、「京のブランド産品」でもある「丹後とり貝」や、初夏が旬の「岩がき」もおいしいです。冬は「間人ガニ」もご提供いたします。丹後直送の鮮魚や有機野菜、鹿肉などの旬の食材を、ぜひ味わってください。

店舗情報

店舗名:イタリア料理 小西屋
住所:大阪市西区新町1-23-9 2F
営業時間:ランチ 11:30~13:30(L.O.)(火・水曜日は休)、ディナー17:30~22:00(Close)
定休日:火曜日(水曜日はディナー営業のみ)
TEL:06-6586-9769
席数:カウンター8席、ゆったり大きめテーブル10席
https://www.italian-konishiya.jp/

わたしにとっての“ふるさとの味”

丹後出身のわたし。京都市内や大阪、東京に遊びに行って、「丹後産」と書かれた食材を使ったメニューを掲げるお店を見かけると、なんだか心が浮き立つもの笑。自分が作ったわけでもないのに、「ほら、おいしいでしょ」と、思わず自慢したくなります。
味わってみたい方、ぜひぜひ足を運んでください。そして気に入ったら、丹後にも一度、遊びに来てくださいね。夏は特に最高ですよ!



たんぽけは今年度、「京丹後ふるさとネットワーク」とともに情報発信を行っています。
京丹後市に興味や愛着を持ってくださる方や京丹後市出身者とのネットワークとして開設された「京丹後ふるさとネットワーク」を、ぜひご活用ください。

▼「京丹後ふるさとネットワーク」(京丹後市サイト)
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