【初心者向け】花火の撮影方法
2022.7.21
Inamoto Shinya
史上最速の梅雨明けとなった今年。
明けた後から梅雨が来たと言う声を聞くほど、ここ最近の天気は不安定な気がします。
そんな中、今年は各地で花火大会が開催され、夜空を彩っています。
今回の記事では、花火の撮影方法について少し解説をしてみたいと思います。
道具が揃っていて、撮り方を知っていれば難しくない花火撮影。この機会にぜひチャレンジしてみてください!
目次
必要なもの
カメラ
今回は一眼レフカメラ、またはミラーレスカメラを基準に話をしたいと思います。同じような設定ができるようであれば、他のカメラでも参考にしてみてください。
レンズ
花火との距離や花火以外に入れたい被写体によって必要な焦点距離は変わってきますが、わからなければあるレンズ(キットレンズでも)大丈夫です。
三脚
花火の撮影では必須のアイテムです。あえてブレた写真を撮るのでなければ、基本的には三脚に固定して撮ることが基本となります。
レリーズ(カメラリモコン)
カメラにケーブル、もしくはBluetooth接続によってカメラに触れずシャッターを操作するもの。こちらも写真がブレてしまわないよう必ず準備したいアイテムです。
以上、これらがあれば花火を綺麗に撮影することが可能です。
三脚やレリーズを持っていない方も多いとは思いますが、最近では安価で十分な性能の商品も多いので高いハードルではないと思います。購入される際は、自分のカメラに対して三脚の耐荷重量が適切か、社外品のレリーズであれば対応しているかなどを確認しておきましょう。
撮影する場所
花火の情報を集める
開始時間や打ち上げ場所、駐車場などの情報を事前に確認しておきましょう。可能であれば、過去に誰かが撮った写真をSNSなどで見ておくと、さらにイメージが膨らむかもしれません。
どんな写真を撮りたいかイメージする
情報を確認したうえで、どんな写真を撮りたいかイメージしてみましょう。
画面いっぱいに花火を撮りたいのか、それとも何か別の被写体を入れたいのか。
撮りたい写真のイメージによって、花火との距離や使うレンズが変わってきます。
地図で撮影場所の候補を探す
イメージした写真が撮れそうな場所を地図で探しましょう。
難しそうだと感じる場合、過去に誰かが撮影した写真を参考に同じような場所で撮影してみても良いと思います。真似をすることは成長の近道です。
下見をする
候補となる場所の下見に行きましょう。
地図では良さそうに見えても、実際に行ってみると想像と違うことが多々あります。Googleのストリートビューなど便利なサービスもありますが、行ってみると季節が違い、木が生い茂っていたというのもあるあるです。
カメラの設定
M(マニュアル)モードにしよう
その上で、
- ISO100(最低感度)
- 絞りF8〜18
- シャッタースピードはBULB(バルブモード)
これが基本の設定となります。
絞り値に幅があるのは、花火との距離や花火の大きさによって明るさに差があるからです。
丹後で開催されるようなあまり大きくない花火大会では、F11〜13あたりを基準に明るさを確認しながら調整するのが良いと思います。
BULB(バルブモード)とは、シャッターボタンを押している間シャッターが開き続ける設定です。(一部のリモコンでは、1度押すとシャッターを開き、2度目に閉じるものもあります)
ホワイトバランス
少し青く補正すると綺麗に見えます。具体的には、色鮮やかな花火は「電球(白熱電球)」、日本伝統のオレンジ色の花火では「太陽光(晴天)」など。K(ケルビン)で設定する場合は、3500〜4500くらいの低い数値で調整してみましょう。
ピント合わせ
最初に上がった花火にAF(オートフォーカス)でピントを合わせます。そのあとMF(マニュアルフォーカス)に切り替え、ピントを固定したまま撮影しましょう。
花火以外の被写体も入れる場合は、明るいうちに合わせておくと失敗が少ないです。
その他の設定
カメラによって「長秒撮影時のノイズ低減」「手ブレ補正」といった機能があります。
長秒撮影時のノイズ低減とは、長時間の撮影をしたときに発生してしまうノイズをカメラが自動で処理してくれる機能。手ブレ補正とは、手持ち撮影で発生するブレをカメラが補正してくれる機能です。
共にとても便利な機能なのですが、長秒撮影時のノイズ低減は処理に時間がかかるため撮影のテンポが悪くなってしまい、手ぶれ補正は三脚を使用するのでどちらもオフにしておきましょう。
いざ撮影!
ここまでの準備ができ、撮影場所で構図を決めたら花火の打ち上げを待ちましょう。
打ち上げ音がしたらシャッターを開き、光が消えるまでシャッターを開いておくと、花火の軌跡を捉えることができます。連続で打ち上がる花火であればタイミングが少し難しくなりますが、欲しい光だけを切り取るイメージでシャッターの開閉を操作しましょう。
最初に撮影した写真を再生し、明るさや構図がイメージに合っているかの確認は必須です。
明る過ぎたり、暗過ぎたりした場合は焦らず、絞りで補正します。全部を撮ろうとせず、来たるクライマックスでしっかり撮れるよう、序盤の花火でしっかり調整をしておきましょう。
ちなみに、クライマックスはそれまでより打ち上げられる花火の数が増え、必然的に明るくなるので少し暗めに設定しておくのがおすすめです。
この記事では、初心者に向けた花火の撮り方を解説してみました。
難しそうなイメージを持ってしまう花火の撮影ですが、何度かチャレンジしてみるとコツがわかり、とても綺麗な花火の写真が撮れると思います
今年もまだ花火は打ち上がりますので、それぞれのタイミングでチャレンジしてみてください!
さらにドラマチックな写真にしたい方には、多重露光や比較明合成というテクニックを使うと上のような写真にすることが可能です。今回の記事ではそこまでお話ししませんでしたが、ブログやYouTubeなどでも簡単に学ぶことができます。
自分だけの花火写真が撮れるよう、楽しんでいきましょう!