LINKU – モノゴトやヒトビトが導き合う空間 –

2022.6.2

けんご

 京丹後市の中でも特に田園風景が多く、農業のさかんな弥栄町。四季の変化と共にまちの風景もがらっと変わるこの場所に、シェアスペース&コミュニティキッチンを構える「LINKU」さんが2021年にオープンされました。

 元々は工務店の倉庫だった場所をリノベーションした空間で、僕自身もイベントに参加させてもらったり、仕事で利用させてもらったりとお世話になっている場所。今回はそんなLINKUを運営している、福田透子さんにお話をうかがってきました!

LINKU とは?

 弥栄町黒部にある福田工務店の事務所横に位置するLINKUは、シェア/レンタルスペースとコミュニティキッチンのある場所で、内装に木材がふんだんに使われているため、とにかく木のぬくもりが気持ちいい。

 シェア/レンタルスペースは、広々とした空間で軽食ができたり、パソコンを持ち込んで仕事ができたりします。子育て中の方には嬉しいキッズスペースや授乳スペースがあるのも特徴ですね。平日午前は誰でも無料で利用可能、平日午後や休日は有料のレンタルスペースとなっています。

 コミュニティキッチンには、コンロ、電子レンジ、オーブン、食品乾燥機、コーヒーメーカーなど、調理機材が揃っていて、イベントでの利用や料理教室、料理を生業としていきたい方の役にたてる環境が揃っています。

 詳しくは、LINKUさんのWebページを文末に記載していますので、ご確認くださいね。それでは、運営をしている福田透子さんにお話を聞いてみましょう!

倉庫をリノベーションして出来上がった空間

けんご:LINKUがオープンしてからの利用状況はどうですか?

透子さん:キッチンスペースとシェアスペースが分かれているので、オープンしてからはキッチンだけとかシェアスペースだけで使う人が今多いかな。仕事等で来る人が3割ぐらいであとはWi-Fiを使いに来られた方や、場所に興味があって来られる方、近所の方など結構いろんな人が出入りしている状況です。

けんご:老若男女問わず来てくださってるんですね。

透子さん:そうですね。最初はおじいちゃんおばあちゃんもここどこ?みたいな感じで結構来てもらえましたし、友人や同世代の方を中心にイベントや教室を開催する場所として利用してもらっています。

けんご:なるほど、お菓子づくりしてる方が利用してそうなイメージ。

透子さん:お菓子作りしたい方はよく聞くのですが、利用の第一歩を踏み出すハードルがまだ高いと感じる人が多いみたいで。私も協力するので、一緒に切磋琢磨して良い商品を作り上げれたらいいなあと思っています!

けんご:それは心強いですね~!

透子さん:キッチン利用の現状としては友人や地域の方の協力の元、LINKU主催でカフェイベントを開催したり、私自身が料理教室で使ったりしていますね。今後利用したいという方は気軽に相談してもらえたらありがたいなと。

けんご:良い雰囲気の空間なので、気になっている人も多いと思いますね。そもそもLINKUが出来上がった経緯を聞かせてもらっていいですか?

透子さん:私が食関係の仕事をしてるので、営業許可付きのキッチンが欲しいなと前から思っていました。家だとペットや子どもが居たりで落ち着いて作業することができないので、小さくてもいいのでキッチンが欲しいと夫に話していたら賛同してくれました。それに、私の夫が経営している福田工務店では工場や倉庫をたくさん持っていて、その利活用を考えていたんですね。

けんご:ふむふむ。

透子さん:そこで一つ空き倉庫を実際に改装することになりました。この場所は過去に工務店で使っていた道具が置かれた倉庫で、今はもう使わない道具が山積みになっていたので、それを一斉に処分するところからのスタートで。笑

けんご:おおー。

透子さん:工務店なので直接設計の相談をしながら、キッチン付きのシェアスペースが出来上がりました。ただ自分一人で使うにはもったいないくらい広かったので、ここ全体を地域の方とシェアしようとなって。笑 私自身も地元でとれた古代米の米粉を使ったお菓子などを作っていたりしているので、そういう風に「地域の食」をキーワードに地域の方集まるような場所にもなったらいいなと思っています。

けんご:そういった経緯だったんですね。内装もこだわりがみえるのですが?

透子さん:そうですね、工務店なので大工さんの色んな技術が取り入れられていて、元々はこんな状態でした。

けんご:おおっ!めっちゃ物置ですね!今の状態から全く想像できない。。

透子さん:そうです、この状態から床作って壁作って、だいぶかかりましたね。手が空いてるときに大工さんに少しずつやってもらって、半年ぐらいかけて完成しました。LINKU周辺には、田んぼが広がっているので、この綺麗な景色が見えるように窓を大きめに付けています。利用者さんからも喜んでもらえていていて、写真を撮る時を想定して壁の色も自然に馴染むような色合いにしてもらいました。

けんご:確かに写真が締まる感あるなー。

透子さん:キッチンとシェアスペースの間の壁も斜めに壁材を入れてもらったり、出入り口の扉をはじめ建具も作ってもらったし、机も作ってもらいました。職人さんたちの技術が随所に詰まっていますね。

けんご:いや、ほんとに、職人の技が光ってます。笑

透子さん:完成したばかりの頃は、塗料の関係で少し赤みがかった色合いになっていた場所も、経年変化と共に空間に馴染んできました。この辺りに木材を使う面白さがありますね。

けんご:内装もそうだけど、建具や机など細部にまで木のぬくもりを感じる空間だよなー。

気軽に訪れてもらえる場に

透子さん:あとは赤ちゃんが自由に動き回れるように、シェアスペースは靴を脱いで上がってもらうようにしたり、授乳室を設けたり、子育てしている方にとって優しい感じにしようかなっていうのはあって。

けんご:子どもが遊べる場所は助かります。うちの子も最近暴れん坊なので。笑

透子さん:そういった意味でも、シックで無骨な感じにし過ぎてしまうと赤ちゃんと過ごす雰囲気ではなくなってしまうので、木をふんだんに使って温かみや優しい雰囲気を造りだしています。木のぬくもりが気持ちいいから裸足で遊び回ってもらえますしね。笑

けんご:親としても安心して過ごせますね。

透子さん:イメージとしてはカフェと家の間のような雰囲気を作りたいと思っていて、お店っぽさが強すぎると来づらい人もいそうですしね。

けんご:確かに空間としてはキッチンスペースとシェアスペースが区切られてて雰囲気は守られてるかも。

透子さん:そうそう、カフェ感が強いとお店っぽくなってしまうので、フラッと来れる近しい存在でいたいというのもこだわりですね。特に地元の方なんかには来てもらいたいなと思っています。

けんご:確かに、丹後の中にもコミュニティスペースって増えてきたし、それぞれの特徴もあるので自分に合った場所に通ってもらうような。

透子さん:そうですね、人によって居心地の良い場所はそれぞれあると思うので、地元の方含めて色々な人に来てもらって、私は誰でもふらっと来ていいんだよーという場にしていきたいなと。

けんご:その場所に来る人たちが、雰囲気をつくりますもんね。

透子さん:そうですね、利用される方の活動やイベントなんかをInstagramで発信しながら、少しずつLINKUの使い方や雰囲気を知ってもらおうとしています。

けんご:情報発信、大事ですけど運用していくのは大変ですよね。笑

透子さん:そうなんですよね、私も子育てをしているので、その時々のライフスタイルに合わせて無理をしすぎずにLINKUも作っていきたいなと思っています。なのでオープンしてからは色んな方に来てもらって、それぞれの使い方や過ごし方を見て、この場所の活かし方を考えていますね。

けんご:めっちゃ分かります。子どもいると日々状況変わるのでそれに応じて働き方を変えたりしてるなー。

透子さん:そうなんです、なので私一人でやるというよりも、誰かもう一人くらい一緒に運営していただける方が居てもいいのかなって。せっかくキッチンもあるので、お菓子づくりをしたい方なんかと一緒に、この場所を運営していくのはアリかなと。飲食店営業許可や菓子製造などもとっているので作ったものを販売することも出来ますしね。

けんご:一緒にやれるメンバーがいるのは大きいですよね。

透子さん:ですよね、なのでいい出会いがあればってという感じで考えています。

地域の役に立てる存在としてのLINKU

けんご:僕の妻がまざーる(子ども服の交換会)というイベントをやらせてもらったりしていますが、将来こうしたいとかありますか?

透子さん:まざーるみたいな地域に役立てるイベントを開催できるのは嬉しくて、そういったイベントや活動は増やしていきたいですし、そういう事をしたい人たちの後押しをできるような存在でいたいなと思っています。

けんご:LINKUがあったから、まざーるもやろうってなりましたもんね。

透子さん:そうなんですよね、まだまだ元気な地元の方もたくさんいて、出来ることがたくさんあるのに活かせる場がないのは勿体ないと感じていて。そんな方たちの頑張りとか、ボランティアで私たちの為にやってくれている事を、若い世代は知らないことが多くて、そういった事を知ってもらいたいなと。

けんご:あ、そうなんですね、確かに普段そこまで関わりないから知らないなー。

透子さん:そうそう、真剣に次世代の為に頑張ってやってくれてる事が色々あって。それでいてチャーミングでかわいいところもある良い人たちが、なかなか知られていないんですよね。そんな方たちと一緒にこの場を作っていくのもいいなっていうのはありますね。

けんご:確かにそれは他と違った魅力ですね。

透子さん:そうそう、丹後町の宇川とか金曜市をやっていたりして面白いなと思っていて。元気な地元の方に無理のない範囲で参画してもらって、やりがいやお金の面でも還元していけるような関わりを作れたらいいなと思っています。

けんご:地域の方にとって無理なく関われる場所、これから特に必要とされていきそうですね。今日はたくさんお話聞かせていただき、ありがとうございました!

LINKU Share space & Community kitchen

627-0142
京都府京丹後市弥栄町黒部3120
(株式会社福田工務店事務所横)

▪️平日9:00〜11:30
無料open(無料有料ドリンク提供あり)
▪️平日11:30〜,土日祝
有料予約制
▪️第三土曜日はSaturday open day(cafe営業)

ホームページ https://linku.storeinfo.jp/
Instagram https://www.instagram.com/linku.tango/


運営者 福田 透子 Toko Fukuda / フードコーディネーター、里の公共員弥栄町担当

人材会社にて地域創生の現場や食関連の研修事業・委託事業などを経験後、食品加工ベンチャー会社にて商品開発から加工品製造まで幅広く従事。フードコーディネーター資格保持。

里の公共員では地域のなりわいづくりの伴奏支援の一貫として弥栄町の古代米事業をサポート。イベントや出店、商品開発などを通して事業成長の手助けをしている。一児の母。