お金のぽけっと #11 ~ふるさと納税について考察してみた~

2021.12.13

ハラコー

早いもので、もう2021年の12月になりました。
ショッピングセンターにはクリスマスツリーが飾られ、ケンタッキー・フライド・チキンのコマーシャルで毎年恒例の竹内まりやさんの楽曲が流れています♪

ここ最近、12月の風物詩のようになってきているのが『ふるさと納税』だと思っています。

皆さんも、耳にすることが増えてきているのではないでしょうか?

ふるさと納税の仕組み(節税メリット)については、世の中にたくさん情報が溢れているので、本稿では仕組みの話をするつもりはありません。
(参考までに分かりやすく解説してくれている記事だけ紹介しておきます。)
 ↓↓
■2,000円で買い物&税金優遇!「ふるさと納税で得する」仕組み
https://www.jibunbank.co.jp/column/article/00017/

今回のお金のぽけっとでは、
『ふるさと納税をする・しないで迷う場合』
『返礼品を選ぶ時に迷う場合』
などの考え方について考察してみようと思います。

ふるさと納税、するか・しないか

これは明確に考えを述べさせていただくとふるさと納税は『する』の一択でよいと思います。

ふるさと納税を迷われている方の理由の1つに、『地域の税収が減ってしまう』ということを懸念されている方がいらっしゃいます。
こういう考えをされる方を見ると、郷土を愛する精神にあふれていて素晴らしいと思うのですが、この考えについて2つの観点から考察したいと思います。

1つは、そもそも地域の税というのは、あなたを含めた市民を幸福にするために使われるお金なので、ふるさと納税の制度を使ってあなた自身が幸福を感じられるのであれば、何のためらいもなく使ってよい当然の権利であるということを挙げておきたいと思います。
返礼品をもらって幸福を感じ、節税できたお金を有効活用することでまた幸福を感じられれば当初の目的を十分果たしていると自信を持って考えてよいと思います。

もう1つの観点は、地域の税金が適切に使われるための抑止的な効果が期待されることを挙げたいと思います。
少し分かりにくいかもしれませんが、たとえば、あなたが住んでいる地域で税金の無駄使いと思えるような政策が展開されていたら、その地域に心から税金を払いたいとは思わなくなるのではないでしょうか。
逆に、市民が幸福になるような政策をきちんと行う地域であれば、地域に税金を払うことをポジティブに捉えられると思います。
なので、政治家の皆さんが適切な政治を行い市民にとって有効な税金の使い方をしていれば、税収はおのずと安定するハズです。

このように考えると、一般市民はあくまで、『市民の1人である自分が一番幸せな選択』をしていればよいのではないでしょうか。

地域の税金のことを考えるのは政治家の皆さんの宿題なので、お任せしましょう
(仮に市民がふるさと納税をすることに批判してくるような政治家がいるとしたら、政治家としての自分の責任を市民に転嫁をしているだけの可能性があります。もしそんな発言があった場合は次回の選挙で候補者をしっかり見極めて投票すればよいと思います)

その他、返礼品選びが面倒くさいなどの理由を挙げられる方もいらっしゃるので、そのことについても考察してみようと思います。

返礼品を選ぶ時の考え方

初めてふるさと納税をする方が返礼品を選ぼうとした時、恐らく返礼品の数の多さに驚かれると思います。

ふるさと納税で最も有名なサイトの1つ『ふるさとチョイス』に掲載されている各カテゴリーの商品数を合計すると、582,475点にものぼります。

58万もの商品を1つ1つチェックして検討していたら恐らくこの先1年くらいかかることになり、早くても来年の12月にふるさと納税をようやくできるくらいの労力がかかるでしょう・・。

検討の仕方は人それぞれだと思いますが、図にして考察してみようと思います。

ふるさと納税の趣旨からして、①自分のふるさとなど応援したい地域に納税(寄付)をする というのが最上位の選択だと思います。
自分が生まれた地域・学生時代を過ごした地域・家族が住んでいる地域 などで絞り込めるなら絞り込みましょう。
制度的には、特に応援したい地域がなくても大丈夫です。

次に、返礼品の選び方ですが普段買えないものを選択するかどうかを考えて②高級な食材や衣類などのアイテムを選択することも有効だと思います。
もともと欲しいものがあるなら、検索ワードで検索してもよいでしょうし寄付額の金額で絞り込んでもよいと思います。
ふるさと納税の返礼品の金額は、だいたい寄付金額の30%くらいに設定されています。
(10,000円の寄付額なら約3,000円相当の返礼品になっています)

特に普段買えないもの欲しいわけではない場合、③普段利用する日用品を返礼品に選択するのもよいと思います。
日用品・消耗品などでも返礼品は数多く出品されています。

おススメの選択は?

この話を知人にしたところ、「で、結局お金のぽけっと的にはどの考え方がおススメなのよ?」と質問されてしまいました。

基本的に自由なので好きにすればよいのですが、強いて言うなら、お金のポケットは

③一般的な商品を返礼品として選択
(なおかつ ①思い入れのある地域 であればなお良し)

というスタンスを支持します。

なぜかというと、日用品・消耗品というのは、その名の通り日常で確実に使う可能性が極めて高く、ふるさと納税してもしなくても費用がかかるものなので、支出を確実に削減する効果が期待できるから です。

②の高級食材をゲットという選択でもよいのですが、返礼品の食材は冷凍保存されていることが多く鮮度が落ちてしまう場合があります。
なので、例えば『美味しい牛肉を手に入れたい』と思うのであれば、節税・節約した分のお金を使って地元の新鮮なお肉を購入した方が理にかなっていると考えます。
(私は昨年、遠方から旧友が遊びに来てくれた際に節税・節約したお金で網野町の「にく屋さん 優』のA4ランクのロース牛を買い、友人とバーベキューして旧交を温めました。その友人もご家族も、とても喜んでくれました)

以前『お金のぽけっと #9 地産地消って結局なにがどういいの?』にも書いた通り、そうやって地元の食材を購入する事で地域経済が循環することにも繋がるので、節税したお金で地元のモノを購入することは、地域への投資にもなると考えます。

※ただし、海がない地域にお住まいで『海産物がどうしても返礼品で欲しい』など、個別の理由がある場合はそちらを優先した方がよいと思います。

おススメの返礼品は?

ここまでの話を知人にしたところ、 「で、結局お金のぽけっと的にはどの返礼品がおススメなのよ?」 と聞かれました。

個人的には、「そうやって人任せにせず、自分のアタマで考えることが重要なのよ?」という言葉が喉まで出かかってガマンしようとしたけど、結局ガマンできず口に出してしまったのですが、友人は「いいから教えろよ」という万里の長城のような強固なスタンスを一切崩さなかったので、ここでも少しだけ一例を紹介します。

※あくまで一例です。
前述の通り返礼品の数は星の数ほどあり、日々ラインナップは更新されています

■ 北海道赤平氏 トイレットペーパー (14,000円)

https://www.furusato-tax.jp/product/detail/01218/4820355

画像: ふるさとチョイス より

確実に使うトイレットペーパーは返礼品の選択肢として、かなりおススメの選択肢だと思います。同様にティッシュペーパーも返礼品に出している自治体もあるので、チェックしてみてはいかがでしょうか。

蛇足ながら、地方暮らしのメリットとして都会と比べて収納スペースが大きい家に住みやすいということが挙げられます。もし収納スペースに余裕があるようでしたら、こういった生活用品をストックしておくことは災害時なども含めて有効な手段だと思います。

■福岡県 北九州市 シャボン玉手洗いせっけんセット(10,000円)

https://item.rakuten.co.jp/f401005-kitakyushu/17918-30019302/?s-id=ph_pc_itemname

画像: 楽天ふるさと納税 より

ここ数年、衛生面の配慮が強く求められています。
帰宅してからの手洗い・うがいは欠かせない一方、肌に合わないハンドソープを多用することで手荒れが起こる方もいらっしゃるようです。

そんな中、着色料・香料・酸化防止剤・合成界面活性剤不使用のシャボン玉せっけんはとても良い商品だと思います。

洗顔ソープや除菌スプレーなども同自治体の返礼品に登録されています♪

■大阪府泉佐野市 GOTS認証 オーガニックコットン タオル セット(20,000円)

https://item.rakuten.co.jp/f272132-izumisano/020c017/?s-id=ph_pc_itemname

画像: 楽天ふるさと納税 より

「ふるさと納税といえば泉佐野市」「泉佐野市といえばふるさと納税」とも言われる同市には多様な返礼品が取り揃えられています。
その中でおススメするのは、GOTS認証(国際的なフェアトレード認証)を備えたオーガニックコットンタオルのセット。

確実に毎日使うタオルだからこそ、安心・安全に使用できるものを使用できるといいなと思います。

■北九州市 ドリップバッグコーヒー100袋 (10種類×10袋)(13,000円)

画像: 楽天ふるさと納税 より

日用品の中でも少し嗜好品に寄せて、コーヒーという選択肢を紹介させていただきます。

こちらは珈琲屋さんが自家焙煎している珈琲をドリップしたものを100袋揃えてくれています。

大量注文でありがちなのは、同じ種類だけを注文してしまって飲み飽きてしまうということなのですが、こちらは10種類を10袋ずつ揃えてくれているので、毎日変化を愉しめて飽きずにコーヒーが飲めると思います。

■福岡県 飯塚市 福岡 有明海産 海苔詰合せ(10本入り) (10,000円)

https://item.rakuten.co.jp/f402052-iizuka/10000261/?s-id=ph_pc_itemname

画像:楽天ふるさと納税 より

ご飯が大好きな皆さんにおススメなのが、ご飯のお供にぴったりの海苔です。

こちらも毎日食べ飽きないよう通常の味のりに加えて、梅しそのり、明太子のりと変化を愉しめるラインナップになっています。

他にもいろいろとおススメしたい返礼品はたくさんたくさんあるのですが、本記事ではこの辺までにしておきます。(ちょっとだけ書いておくと、災害グッズや非常食なども選択肢としてアリだと思います)

『その他』って何なの?

前半の図の中に『④その他』というものを挙げていたのですが、少しだけ『その他』について紹介します。

その他には地域応援や返礼品という観点ではなくふるさと納税を捉える場合です。
たとえば、特定の団体支援や特定のプロジェクトを支援したい場合などが挙げられます。

■任意のNPO法人を応援できる佐賀県のふるさと納税

これは本当によくできた仕組みだと思うのですが、佐賀県ではふるさと納税で寄付したお金を、任意のNPO法人の活動資金として寄付する制度があります。

ふるさとチョイス内、NPO支援ページ
ふるさとチョイスHPより

よく意味が分からないという方も多いと思うので説明を入れさせていただきます。

ふるさと納税で寄付したお金がどういうものに使われるのかを図にするとこんな感じです。

■一般的なふるさと納税(図の左)

寄付した金額のうち、だいたい30%が返礼品の購入費用に充てられています。
また、ふるさと納税を購入した返礼品の送料、ふるさと納税を掲載しているサイトへの手数料、中間事業者が介在している場合にはそれら事業者への手数料が支払われます。

それらを除いた金額が、寄付した自治体の税収となるわけですが、一般的には自治体の税収の具体的な使い道は各自治体に委ねられます(子ども向け政策に使う、シニア向けに使う・・など大まかな利用用途は指定できます)

■佐賀県のNPO支援 ふるさと納税(図の右)

一方、佐賀県のNPO支援ですが、一旦は自治体の税収となるのですが利用用途は寄付した人が指定したNPO法人に寄付することができ、より具体的な活動を支援することができます。

(佐賀県にとって)この仕組みのよいところは、支援を受けられるNPOとして認定されるには「佐賀県に事業所を構えること」「佐賀県の人材を雇用すること」などの条件があるため、NPO法人の佐賀県への事業所新設・佐賀県の人材雇用が促進され、地域の企業誘致や雇用促進に寄与するように制度設計されています。

また、この仕組みによりNPO法人が社会課題を解決することに貢献してくれるため、行政サービスでは手が届かないような課題を解決できることが期待されます。
たとえば、病児保育(子どもの体調が悪い時にも託児ができる)、いじめ防止、糖尿病治療、動物愛護、女性の自立支援、妊娠・育児をする家庭にオンラインで専門家を繋ぐ活動、など様々な活動をNPOが行っています。

この仕組みによりNPO法人が佐賀県内に集まり、地域の方の雇用を生み、地域課題を解決する、という三方よしのステキなデザインとなっており、佐賀県にとってふるさと納税は単なる税収アップにとどまらずいろんな切り口で地域への再投資が進められるように設計されています。私がこの仕組みを知った時には軽く感動を覚えました。

(このような仕組みがあることは、私が暮らす地域の若手議員の集まりの際に図解で議員さん達にお伝えしたのですが、残念ながら同様の仕組みは実現していません。)

佐賀県のNPO支援の他にも、災害復興支援にふるさと納税を活用する自治体やクラウドファンディングでプロジェクト資金を集めるためにふるさと納税を活用する事例もあります。

ご興味がある方は、ぜひいろいろ調べてみてください!

まとめ

本日も長い記事になってしまいましたが、まとめます!

■ ふるさと納税は『する』の一択でよい!

■ 返礼品に必ず使用する生活用品を選べば確実に家計にメリットをもたらすのでおススメ!

■おいしいものを手に入れたければ、節税&節約したお金で新鮮な地元のものを買うのもおススメ!

■もともとの趣旨を忘れず、故郷や思い入れのある地域に寄付できればステキ♪

■佐賀県のNPO支援のように、ふるさと納税と組み合わせたステキな取組みも知って欲しいな♪
(いろんな自治体も参考にしてほしいな)

あとは、いろんなサイトに詳しく書いてるので、この記事では割愛しましたが、ふるさと納税には

■住民票がある自治体(住んでるまち)にふるさと納税しても節税メリットはない

■収入や世帯構成によって、ふるさと納税で節税の恩恵を受けられる金額の上限がある

■ワンストップ制度という簡単な申請方法があるけど、申請漏れしてたら節税メリットは得られない

などの注意点があります。

こういう事は、ふるさと納税サイトをはじめ、世の中のいろんなサイトにまとめ記事がアップされているので、ご一読した上でふるさと納税するとよいと思います。
(サイトによっては独自ポイントを効率よくゲットできたりもしますが本稿では割愛)

2021年のふるさと納税枠(節税の恩恵を享受できる上限金額)は12月末までに申し込みをした分までなので、ふるさと納税をされる方はお申込み忘れのないようにお気を付けください(^_-)-☆

2021年も残すところ数週間となりましたが、ステキなふるさと納税ライフを♪

Have a Nice Day!!!!