100kmランナーの実態~丹後100kmウルトラマラソンレポ②~
2022.8.25
けんご
こんにちは!前回から引き続き、ウルトラマンレポの記事②です。①では、なぜこんな意味の分からない大会で走ろうと思ったのか、そのきっかけについて書かせてもらいました。笑
②の今回は、練習についてや60kmの部門も2018年に走っているのでそのことについて書こうと思います!①はこちら↓からどうぞ~。
■なぜ走る?~丹後100kmウルトラマラソンレポ①~
https://tanpoke.com/13388/
ウルトラマラソンの練習は?
100kmも走るのに、どないな練習してんねん!とよく聞かれるのですが、週2、3走るくらいです。もちろん距離は1回の練習で10km~20kmくらいと長めではありますが、慣れてくれば10kmは1時間くらいで走れます。
2018年に60km部門に出場した時は、日中バリバリ農業をやっていたので、基礎体力はそこで養われていたと分のアドバンテージはあったかなと。農繁期は日中仕事したあとに、夜な夜な国道や山道を走っていたなぁ。。(鹿の群れが後ろから迫ってくるのを感じたり、猿の大群の中を突っ切ったり、色々ありました)
練習では長い距離を走ってスタミナを強化すると想像しがちですが、実際そうではないと僕は感じています。もちろんスタミナも大事ですが、ウルトラマラソンは日中起きてる間ずっと走ってるようなのレースなので鍛えられるスタミナだけでは持ちません。うまく栄養補給ができるくらいのペースを維持しながら走り続ける事が完走の秘訣。
なので練習では、自分に合ったペースや負荷のかかりにくいフォームを身体に染み込ませて、長時間いかに食べたり飲んだりしながら走り続けることができるか、という点に集中しています。これは60kmの部門に出た時に意識していた事で、100kmになると厳しい峠道があって下半身の筋力強化が必要になってくるので、今はアップダウンのある峠道を中心に練習してる感じ。
たまに30kmからフルマラソンくらい練習で走る時は結構頑張ります。笑 給水スポットも無いので自分で自販機を探しながらひたすら走り続ける独特な練習なのですが、これが本番に近い感覚で走れて楽しい。「今日は長距離頑張るぞ!」と走り始めると、思いの外自販機に巡り会えずハードモードに陥り「なんとか生き延びねば、、」みたいなサバイブモードに徐々に変わっていく日もあって、辛いのですが自販機見つけた時の生き延びた感はたまらんのですよね。
他にも碇高原という峠道を走破したり久美浜湾を1周走ったりもするので、練習を終えた時の達成感は日々あって、この小さな達成感を重ねながらレースへの自信を構築していくのも練習する目的であり、楽しさだったりします。
60kmの部で走った時のこと
2018年の大会では60kmの部門に出場して、なんとか完走できました。フルマラソンの大会にも出たことがなかったので「完走できるかな、、」とレース前は不安でしたが何とか制限時間内にゴールすることができ(確か制限時間20分前くらい?)、一安心した記憶があります。
60kmのスタート地点は久美浜湾にある浜公園で9時からレース開始。ちなみに100kmは4時半スタートです。笑 60kmの難所は、七竜峠という峠道が序盤に1つあるのと、そこを越えてからの平坦な畑作地帯をひたすら走りつづける点かな。
この日は気温も高く、天気も良かったのでなかなかハードな気候でした。レース前半は意気込みもあり、七竜峠も超えるぞ!というテンションで走れるのですが、峠を走り切ると体力と筋力の消耗を感じ、なおかつ日中の一番熱い時間帯にさしかかり、否が応でもペースが落ちます。
今でも覚えていますが、峠道をあんなにみんな頑張っていたのに平坦な道で歩いてる人が多いこと多いこと。60kmでは関門(規定の時間内通過しないと失格になる地点)の設定が100kmほど厳しくないので歩けるタイミングは多いと思いますが、これが後半に効いてきます。実際に僕も周囲に流されて歩く回数増えてました。笑
関門を越え、平坦な畑作地帯をひたすら走る。この辺りは僕の家の近くでもあり普段から練習で走っていたので、ダレずに練習通りのペースを維持できたのが、完走に繋がったと思います。レースも後半になるにつれ、給水スポットでゆっくり休んでいる人やリタイアする人が出てきます。ここで自分を律しながら普段通りのペースで走れるかがポイント。記念受験みたいなノリでレースに出ている人も多いので、ハナから諦めているような人の雰囲気には飲まれないように。
レース終盤は、海沿いのちょっとした坂道が続きます。ここが最後の踏ん張りどころです。1日中走った疲れや筋肉疲労がピークに達しているので、レース初心者だった僕は本当に辛かった。制限時間も迫っていたし焦る気持ちもありながら、一定のペースを保ちながら走り続けました。足をつってリタイアする人も出てくる時間帯で「このペースで走っていれば完走できる」とか思った矢先に足をつって終了、みたいな事を常に想像しながら走るので本当に辛い。
日も暮れはじめ、クライマックス感が出てきます。最後の坂道を走り終えゴールのある会場に入ります。会場に入ると場内アナウンスで「ナンバー●●の■■さん!おかえりなさい!」と名前が呼ばれる仕組みになっていて、この瞬間にやっと完走を意識できました。実際にゴールテープも見えるので、色んな感情が湧き上がってきます。
レース中は鬼気迫る雰囲気であったり、完走できるのか?という不安な空気の中を過ごしますが、ゴール会場の雰囲気は完走者の達成感や充実感で溢れています。ゴールした後はその雰囲気に浸ったり、応援に来てくれていた妻からの労いの言葉に感動したり、夢心地のような時間です。ゴールした途端に下半身が岩のように動かしづらくなるのが不思議なのですが、これも頑張った証拠かな。
60kmを完走した直後は100kmに出場することなんて考えてもいなくて「もう走りたくない!」とさえ思っていました。それが数日経って、次は100kmに挑戦してみたいなと思い始めるのでマラソンって中毒性ありますよね。笑
今年の大会も今のところは開催予定で、本部からゼッケンや案内の資料が手元に届きました。いよいよ感が出てきたよー!!!